宝物の椅子

劇場公開日:

解説

退職老人が買った椅子が巻き起こす騒動を描いたコメディ。監督・脚本は「西太后」などの俳優としても知られ、本作が初の長編劇映画となるチャン・ティエリン。撮影は「スケッチ・オブ・Pecking」のチー・レイ。主演は天津人民芸術院所属のピー・ケン。共演は本作がデビューとなるチアン・リーフェンほか。中国映画祭96で上映。

1996年製作/86分/香港・中国合作
原題または英題:椅子 The Chair
配給:大映東光徳間
劇場公開日:1996年12月4日

ストーリー

地方都市。新聞社で40年間校正係を勤めたクー老人(ピー・ケン)に定年退職の日が来た。長年座った椅子は、後釜の青年に譲ってもらおうとした途端、壊れてしまった。退職金を手に家路についたクーは、ふと入った骨董屋で一脚の椅子が気に入り、金をはたいて買った。老人は連れ合いを早くに亡くし、大学生の娘ミル(チアン・リーフェン)と二人暮らし。ミルは大事な退職金で古ぼけた椅子を買ってきた老父に激怒。翌日、クーは骨董屋に椅子を返しに行くが、店員は返品させてくれない。誰も買い手がないまま、椅子は夜中に娘が彼が知らないうちに庭へ放り出した。翌朝。警察がクーを訪問。なんとあの椅子は、博物館から盗まれた“国宝級”の一品かもしれないというのだ。噂が広まり、新聞、テレビが取材に殺到。応対が煩わしくて庭に出たクーは、あの椅子を植木屋の青年が踏み台に使っているのを発見。急いで彼は椅子を警察へ持ち込むが、椅子は偽物と断定された。嫌疑は晴れたが、なぜか老人は不愉快だった。ミルは露店商をしている婚約者のヤンと相談して、父のために椅子を“国宝の椅子”と称してヤンの仲間に売ってしまう。ところが相手は椅子が偽物と知ると、本物を隠しているとクーを訴えた。クーは友人と長老を連れて裁判所へ。しかし、告訴は取り下げられていた。しばらく後。クーは初めて年金を受け取った。年金を手にあの骨董屋を訪れた彼を、白髭の店員が出迎える。「本物か偽物かは問題じゃない。要は信じるか信じないかだ」店主は言いながら、店の奥に積まれた椅子の山をみせるのだった。

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