「山岳ゲリラの肝っ玉女ボス役のカティーナ・パクシヌーが凄い」誰が為に鐘は鳴る(1943) あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
山岳ゲリラの肝っ玉女ボス役のカティーナ・パクシヌーが凄い
ご存知ヘミングウェイの超有名小説の映画化
といっても内容は高尚な文学作品ではなく、大まかに言って戦争アクション物ですから気楽に見れます
見所はゲイリー・クーパーと、イングリッド・バーグマンの二大スターの共演でしょう
主人公ゲイリー・クーパーはインディジョーンズをちょっと10歳程老けさせた感じで、さすがに二枚目スターだけに格好は良いのですがやはり中年感は否めません
しかし、イングリッド・バーグマンは輝くばかりに若く美しく見事なヒロインぶりです
彼女が監督の自宅にヒロイン役の短髪姿で乗り込んでこの役を獲得したとか、後年イタリアにロッセリーニ監督の下に走ったエピソードを予感させるような話です
単に役者魂だけでなく、スペイン内線の反ファシズム映画として参加したかったようにも思えます
それはさておき、彼女の飾り気のない健康的な笑顔は役柄にぴったりで本作の成功は彼女の配役で半分はあると思われます
ヘミングウェイも彼女しか考えられないと言ったとか
そしてあと半分の成功要因は、山岳ゲリラのボスの女房にして実質的に本当のボスの中年女性ピラー役のカティーナ・パクシヌーです
彼女の存在感と役柄への説得力は半端ではありません
成る程アカデミー賞の助演女優賞を獲っています
ジブリアニメのラピュタに出てくる空賊の女ボスの元ネタはきっと本作の彼女のイメージでしょう
脚本もこなれていて2時間半強ありますがだれることなく楽しむ事ができます
ぜひカティーナ・パクシヌーの熱演と短髪のイングリッド・バーグマンの美しさをご堪能下さい
「ジブリアニメのラピュタに出てくる空賊の女ボスの元ネタはきっと本作の彼女のイメージでしょう」に、同意いたします。
流石、鋭いですね。自分は全く気づきませんでしたが、言われてみればその通りです。