「自警団対一匹狼」ダーティハリー2 広谷賢次さんの映画レビュー(感想・評価)
自警団対一匹狼
ジョン・ミリアスとマイケル・チミノという当時はまだ駆け出しの若手だった2人がシナリオを手掛けた本作。シリーズ第1作で主人公ハリーが行ったことはすべて私刑でファシスト的だと批判されたからか、本作では、マフィア、ヒモ、悪徳議員などを私刑する若手白バイ警官五人組を敵に設定し、ハリーがバッジを持っているだけの殺人者ではなく、倫理観をわきまえた刑事だということを証明しようとする。
見どころは拳銃を奪われ丸腰になったハリーが、白バイ警官たちと対決する船上のクライマックスシーン。大味だが工夫を凝らしたアクションを見ることができる。その他、名脇役ハル・ホルブルックが白バイ警官たちを陰で操るハリーの上司役を憎々しく好演。のちの「大統領の陰謀」「カプリコン1」「ザ・ファーム」につながる徹底したワルぶりを垣間見せる。
ハリーが節々で口にするセリフ「Men's got to know his limitations.(男は身の程をわきまえないとな)」はいつ聴いてもかっこいい。
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