「感動で泣きます、これこそ名作です」ダーティ・ダンシング あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
感動で泣きます、これこそ名作です
心が震えました、感動です
親子、姉妹、恋人、友人、社会
そんな自分の周囲を取り囲む関係性を、子供から大人の女性に成長して脱皮する一人の少女の一夏の物語
見事にその関係性を濃縮して完結してみせた
稀有な傑作、これ程の映画はそう無いだろう
役者はほとんど無名の俳優ばかり
しかし誰も彼もが素晴らしい演技をみせる
主演女優の演技は感嘆する
相手役の男優もまた魅力的で素晴らしい
しかし単なるダンス映画では断じてない
ダンスは身体的な愛の会話ともいう
とすれば本作は物凄い量の会話に溢れている
登場人物は歌いはしないがこれは歌の無いミュージカルといえる
台詞や歌詞の代わりにダンスが語り歌うのだ
振付師はケニー・オルテガ
彼は伝説的ダンサーのジーン・ケリーの弟子
後年あのマイケル・ジャクソンのジスイズイットの振り付けも担当した人といえばどれ程凄い人か分かるだろう
舞台は1963年の夏、東部の山あいのロッジ
グリースの時代から数年後、アメリカングラフィティの翌年の時代設定
米国の全てが変わろうとしている
ベイビーは大学に進み世の中をより良く変えようとしている
ジョニーもまたベイビーによって成長した
ケラーマン支配人も時代が変わろうとしていると終盤で嘆くが、さよなら会が大いに盛り上がるのを喜んでいる
ベイビーの成長物語であると同時に、アメリカングラフィティ同様に変わりつつある米国と、それを推し進めるのはベイビーでありジョニーであると、そしてまた本作を観る私達であると説いているのだ
当時のヒット曲が満載だが、決して当時を回顧する映画ではない
いつの時代でも意味を持つ永遠の生命を持つ映画だ
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