「愛という「重さ」とセックスという「軽さ」」存在の耐えられない軽さ yep11016さんの映画レビュー(感想・評価)
愛という「重さ」とセックスという「軽さ」
今年の春作家ミランクンデラが亡くなったことを知ってもう一度この映画を見てみたいと思っていた、
40年前学生の頃に観て心に残っていた映画
脳外科医のトマシュ、ダニエル・デイ=ルイス
プラハのテレーザ、ジュリエットビノシュ
アーティストのサビーナ、レナオリン
みんな愛らしく個性的な。
ジュリエットビノシュの愛らしさにひさびさにグッとくる
彼女が囁くように「トマシュ」というセリフに何度もグッと来る
若かりしダニエル・デイ=ルイスは存在と演技として圧巻。
「エバースマイルニュージャージー」やこの作品のような二枚目半の彼がいちばん好きだった。
「軽さ」の象徴として画面に佇み、時にはテレーザやサビーナを見る側にいくものの彼の存在あってこそ。
写真家クーデルカが撮ったチェコへのソビエト侵攻の写真に驚いたことがあったせいでチェコ、プラハが春を迎えてからどうなっていったのかには興味があったからトマシュとテレーザが一度出たプラハへ戻ってからは切なさが画面に溢れる
この物語がどうやって終わるかすっかり忘れていた、
しかしあのたしかで美しい幸福感に満ち溢れた時間とトマシュの最後の台詞に涙した
流れる音楽や彼彼女のファッション、ランジェリーもすばらしく、
フィリップカウフマンの演出とセンスはこの映画がいちばん発揮されてるのかも、と思わせられた。
文句無く良い映画。
出てくる俳優たちの気持ちに寄り添い
物語の中に入っていって
その人物と物語を反芻する。
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talismanさんのコメント
2024年1月8日
クンデラが死んだニュースに、大きな喪失感と共にクンデラへの感謝の気持ちも抱きました。映画化されたことにありがとう、そのおかげであなたの作品を沢山読んで考えた