ソルジャー・ボーイのレビュー・感想・評価
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最後びっくりする
売春婦を100キロで走行中の車から突き落として、まあいいや、みたいな乗りなのでどうかと思ったら、それが伏線でとんでもない連中だったことが最後に分かる。車の修理代でもめた時にあの整備工は殺されていてもおかしくないし、ホテルで乱痴気騒ぎをしてめちゃくちゃにしていたのも仕方がない。あんな武装をしていたら、どこかのタイミングでやってやろうと覚悟していたに違いない。というのもガソリンスタンドで相手を殺した時に、誰一人反対せずにすんなり戦争をし始める。女子どもも容赦なしでどん引きだ。
へんなだらだらしたロードムービーだと思っていたらとんでもないことになって驚いたが、後から考えるといろいろ腑に落ちる。
ベトナム帰還兵もののはしり
ベトナム戦争から意気揚々と帰還してきた4人の若者が、世間との感覚のズレや、住民たちの偏見にブチキレる。後の「タクシードライバー」「ディアハンター」につながる先がけとなった作品。
田舎町の保安官に不当な扱いを受けるのは「ランボー」と同じだが、本作においては、怒れる若者たちを観客が応援しようという構図にしなかったように見受けられる。
車から落ちて死んだと思われる女性を確認せずに見捨てたり、当たりクジの賞金50ドルが無いからと老店主から物を巻き上げる、ブチキレてからは女子供関係なく動くものは皆殺しなど。
彼らに共感できない事で、ベトナム戦争が狂わせた彼らと彼らを受け入れられない社会を浮かび上がらせ、より反戦のメッセージを強く感じることができるのです。
91分の上映時間の70分近くまで、盛り上がりもなく淡々と、少しずつ彼らが精神的に追い詰められるまでを描き、突如田舎町がベトナムと化す壮絶な戦闘が始まり、あっけなく幕切れ、いや〜な気持ちにさせられる反戦映画の名作。
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