「「ターミネーター」を思い出すラストシーン」卒業(1967) KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)
「ターミネーター」を思い出すラストシーン
子供の頃、故郷の映画館「グリーンハウス」
で観たのが最初。
内容は解らなかったが、まだウブだった私
には随分と刺激的な映画だった。
この作品、最後の花嫁略奪シーンが
有名かと思うか、
私には動く歩道上のベンの描写に流れる
「サウンド・オブ・サイレンス」の
タイトルバックの方が
強く印象に残っている。
そして、初めに観た時の
「サウンド・オブ・サイレンス」
の意味なんて解ろうはずも無く、
ただただ、卒業=サイモンとガーファンクル
との代表的青春映画だった。
しかし、花嫁略奪シーンに痛快さを感じた
若い自分はもういない。
周囲に流されるばかりだった
ベンとエレーン、
後半からは主体性を身に付けつつある二人
ではあったものの、
最後の行動は一時的な感情の高揚が
もたらしたものと、
今後彼らの前に立ちはだかるであろう労苦を
心配するばかりの年齢になってしまった。
最後のバスの中での彼らの表情には、
そのずっと後に制作される
「ターミネーター」のラストで、
ヒロインが向かう暗雲のシーンを
思い出すばかりであった。
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琥珀糖さんのコメント
2023年10月21日
ここんにちは
いつもありがとうございます。
実は私もラストのバスに乗る2人の不安そうな表情に、
先々の苦労の予感を感じました。
でも1960年代の空気はすごく出ていましたね。