そして誰もいなくなった(1975)

解説

砂漠の中にある宮殿に集まってきた10人の招待客たちが、やがて〈マザーグースの歌〉の内容と同じように一人ずつ殺されてゆくというミステリー映画。製作はハリー・アラン・タワーズ、監督は「らせん階段」のピーター・コリンソン。アガサ・クリスティの原作を基にピーター・ウェルベックが脚色。撮影はフェルナンド・アリバス、音楽はブルーノ・ニコライ、編集はジョン・トランパーが各々担当。出演はオリヴァー・リード、リチャード・アッテンボロー、エルケ・ソマー、ゲルト・フレーベ、アドルフォ・チェリ、ステファーヌ・オードラン、シャルル・アズナヴール、ハーバート・ロム、アルベルト・ド・メンドーサ、マリア・ローム、オーソン・ウェルズ(声)など。

1975年製作/イギリス
原題または英題:And Then There Were None

ストーリー

砂漠の中に建てられたペルセポリスの宮殿に大型ヘリコプターが到着した。将軍サルヴェ(アドルフォ・チェリ)、女優のイローナ・モルガン(ステファーヌ・オードラン)、医師アームストロング(ハーバート・ロム)、歌手ミシェル・ラヴェン(シャルル・アズナヴール)、秘書ヴェラ・クライド(エルケ・ソマー)、ヒュー・ロンバード(オリヴァー・リード)、高等法院の判事アーサー・キャノン(リチャード・アッテンボロー)、刑事ウィルヘルム・ブロア(ゲルト・フレーベ)の8人が降り立つが、彼らと、この宮殿の召使い夫婦、オットー(アルベルト・ド・メンドーサ)とエルサ(マリア・ローム)の計10人は互いに初対面同士だった。宮殿には、招待主の姿はなく、なぜそこに招待されたかの理由もわからないまま、その日の晩餐会が始まった。テーブルの中央には10個のインディアン人形が置かれ皆の目をひいた。食後、ミシェルが、ピアノの弾き語りを始めると、どこからともなく無気味な声(オーソン・ウェルズ)が流れてきた。“私はU・N・オーエン”と語る声は、次に、ここに集まった10人の過去のあやまちを告発した。それによるとサルベ将軍は部下の五人の兵士を死に追いやり、イローナは夫を殺し、アームストロングは手術のミスで人を死なせ、判事は無実の人間にそれと知って有罪の判決を下し……。一転して狼狽の表情をうかべる人々。気分を取り戻そうとミシュルが〈マザーグースの歌〉を歌いはじめた。“10人のインディアンの子供、ごはんを喰べて一人が喉をつまらせ9人になり、……”その歌を歌い終わり酒を飲みほした彼は、突然バッタリと倒れた。酒に毒が入っていたのだ。そして10個あったインディアンの人形が9個になっていた。恐怖におののく人々をよそに、脱出不可能のこの土地で、〈マザーグースの歌〉どうりに殺人がすすんでいった。ミシュルに統いて、エルサがペルシャ人の処刑方法で殺され、続いて将軍、脱走を試みたマルティーノ……と犠牲者が続いた。オーエンとは誰なのか。この10人の中にオーエンがいることを悟った残りの人々。そして遂にヴェラとロンバートの二人だけが残った。しかし、この二人は他の人々とは少し事情が違っていた。ヴェラが夫を殺したのではなく、殺したのは妹で、彼女は妹をかばったのだった。そしてロンバートは、実は、ロンバートではなく、ロンバートの親友だった。ロンバートが自殺したので、彼がかわりに招待状をもってやってきたのであった。もちろん、そのことはオーエンの計算外のことだ。しかし、二人だけが残った今となっては、お互い、相手をオーエンと思うしかない。だが、実際にはもう一人の人物が残っていた。死んだと思われていた判事だ。実はオーエンの正体は彼だった。罰せられない罪をせおった人々を集め、心臓を病んで余命いくばくもない彼は、それぞれの人間に戒めを与ようとしたのだった。罰せられる必要のない二人に、全てを告白した判事はそのまま発作を起こし息絶えるのだった。

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