「30,000人以上が死亡した1990年イラン地震の後、イランの名匠...」そして人生はつづく ナイン・わんわんさんの映画レビュー(感想・評価)
30,000人以上が死亡した1990年イラン地震の後、イランの名匠...
30,000人以上が死亡した1990年イラン地震の後、イランの名匠アッバス・キアロスタミは前作に監督した『友だちのうちはどこ?』の出演者の安否確認のため現地を訪れた。この映画『そして人生はつづく』はこれらの事実に基づいたセミ・フィクションであり、ドキュメンタリータッチで撮影。
キアロスタミ監督による「ジグザグ道3部作」の第2作目で『友だちのうちはどこ?』の出演者たちの安否を確認しようと被災地へ向かう監督親子の旅を再現したロードムービー。イラン北部で起きた大地震は『友だちのうちはどこ?』を撮影したコケル村にも容赦なく襲いかかった。監督は映画に出演した兄弟の安否を確認するため、息子を連れて被災地へと車を走らせる。地震から半年後に実際の被災地で撮影を行い、当時イランの経済庁で働いていたファルハッド・ケラドマンを自身の監督役に抜てし、地震で崩壊した村の悲惨な現状をありのままに捉えながら、人間のたくましさと生きることへの希望を映し出す。
途中で父親と息子は崩壊した村を訪れ、生存者から詳しく話を聞いたりする。生存者の若い夫婦はその地震で身内を亡くしたがそれでも結婚しようと決めた。死は2人の終焉を予見しなかったので、2人は生きて結婚することを選んだと話すシーンがある。この夫婦の場面は「ジグザグ道三部作」の第3作目『オリーブの林をぬけて』の焦点となる。
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