「ホント人生は続くよな。」そして人生はつづく osmtさんの映画レビュー(感想・評価)
ホント人生は続くよな。
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本作も、まんまとすっかり引き込まれてしまった。
ただひたすら映画に出演してくれた人達の安否を確認するだけの映画なのに、
どうして、こうも引き込まれてしまうんだろう?
今回も勿論カメラワークは素晴らしいが、あの相変わらずの素人俳優の自然さは一体なんなんだろう?
あのキアロスタミ自身を投影させた父親の役は、経済庁の役人らしいが、ホント上手い具合に良く見つけてくるよ。
被災地の人達も、たぶんカメラの前で、決められた台詞を喋っているのだろうが、とてもでは無いが、芝居をやってるようには見えない。
もう、この監督独自のマジックで成り立っているとしか思えない。
今回は特にドキュメントとフィクションが渾然一体なのが、やはり肝なんだろう。
観てるこっちも、あの兄弟は、ひょっとしたら地震の犠牲になってしまったのでは?と少し不安になってしまっていた。
なので、あの暗示的な感じで、遠くの方のシルエットから、元気そうな姿が見えた瞬間には、なんともグッと来るものがあった。
さすが、観客のイマジネーションを喚起させる勘所を良くわかってる。
それは、勿論もうドキュメントでなく、完全にフィクションとしてのリアルなんだが、そんなこと、もう本当にどっちでも良くなってしまうのだ。
そして、続くラストのひたすらなロングショットも、とても印象に残った。
本当に人生は続いていくのだ。
欲を言えば、キアロスタミ本人が本人役として出演して欲しかったな。
もう、それだったらホント完璧だったと思う。
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