「車がボロくて心配….」そして人生はつづく mamagamasakoさんの映画レビュー(感想・評価)
車がボロくて心配….
大きな地震があったらしく
コケルのアハマッドたちの生存を確かめに
小学生の息子を連れて現場に行こうとする
キアロスタミ(演じるのは役者)
幹線道路が壊れたり渋滞になっていたりで
裏道を行くしかないのだが
車が小さくてボロいので行く先々で無理だと言われるがそれでも行く
そしてあちこちで気軽に人や荷物を乗せては
地震の様子やコケルの様子を聞き取りしている
根っからのドキュメント監督だ
役者は最小限度で、映画に出たい地元の人たちを起用するので、ドキュメントにしか見えない作りになっているが、時々ネタバラシがあってそこも面白い
幸か不幸か
あたしはこの三部作の見る順番を間違えて
先に「オリーブの林をぬけて」を見てしまったので
そこですでに少し大きくなったアハマッドとネマツェデを確認している
なのでドキドキせずに見ていられたわけだ
キアロスタミの映画はすべて
乾いた舗装されていないジグザグ道が砂埃を巻き上げているアースカラー
埃の向こうに見える遠くの山がなんとも美しい
視界の広さとその風景
住居と人の営みのその風景があたしを
未見の地イランにキアロスタミの映画にハマらせる魅力だ
たくましく地震の後の復興に黙々と大人も子供も働く中
4年に1度のサッカーワールドカップを見るためにTVアンテナを建てるシーン
地震で身内が死んでもワールドカップは観る
打ちひしがれていても仕方がないのだ
親が死んでしまったからこそ結婚する
そのあたりが「そして人生はつづく」なのかな
最後の引きのロングショット、ジグザグ道の登りはヴィヴァルディ
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