「こんな兄嫁が一つ屋根の下に暮らしていたら(^^;;」続青い体験 kazzさんの映画レビュー(感想・評価)
こんな兄嫁が一つ屋根の下に暮らしていたら(^^;;
WOWOWプラス(スカパー!)の放送にて。
『青い体験』の製作者・監督が、主演のラウラ・アントネッリとアレッサンドロ・モモを再度起用して2年後に公開した“筆下ろしもの”の第二段。
邦題は「続」だが、物語は続編ではない。
本作の方がコメディー色は強く、魅惑の兄嫁とスケベ義弟の心理描写は前作よりもスマートだ。
役名もラウラの、ラウラ・アントネッリがやはり魅力的だ。
役名もサンドロの、アレッサンドロ・モモは眉の濃さが成長している。
前作の後、アントネッリはお色気映画に何本か主演しているが、ヴィスコンティの遺作『イノセント』の主演が特筆すべき仕事だろう。
スケベ少年サンドロの一家は、マリンリゾートの別荘でひと夏を過ごすセレブ。そこに兄が新妻ラウラを連れて合流する。
サンドロは色っぽい兄嫁が気になってしょうがないうえに、隣の部屋から兄夫婦の営みが聞こえてきたりするから、悶々は募るばかりだ。
兄はラウラの護衛役をサンドロに託して仕事と称して家を空けるから、ラウラに付きっきりのサンドロ。昼間の大半を過ごすビーチでは、彼女は男たちの注目の的となる…というシチュエーション。
本作は、兄嫁ラウラの方も義弟が気になり始めるという、道ならぬ恋の物語になっていて、スケベ義弟には彼に想いを寄せるガールフレンドがいたりする。
ガールフレンドと映画を観に行くのに二人だけだと親の許可が降りないから、兄嫁が同行する。男女交際に厳格なのか、この辺の設定がよく分からない。
映画館で、ガールフレンドと手をつなぎながら、反対の手を兄嫁のスカートに滑り込ませるスケベ義弟のゲスぶりには呆れるが、アントネッリの反応の演技が堪らなかったりする。
前作よりもキチンとドタバタコメディーになっているところは、前作がデビュー作だった監督の成長かもしれない。
が、たいした映画ではないことに変わりはない。
アントネッリの魅力、唯々それだけだ。
両親、兄夫婦でサンドロの童貞卒業を乾杯して祝うなんて、おバカな家族。
アントネッリとモモがほくそ笑んで見つめ合うラストシーンが前作を踏襲しているあたりは、連作らしく気がきいている。
観る側の自分が年を重ねるほどに、アントネッリが魅力的に見えてくる。
アントネッリはその後の人生が悲惨なだけに、この連作2作は伝説的作品になったと言える。
ラウラ・アントネッリに愛を込めて、★ひとつ追加❗
また、10年後くらいに観るとするか…。