壮烈第七騎兵隊のレビュー・感想・評価
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壮烈カスター武勇伝
カスター将軍の名は聞いた事あるが、詳しくは知らない。
南北戦争やインディアン戦争で武勲を立てた米陸軍人。本作以外にも映画化も多い。
英雄とされる一方、無謀な闘い、味方に犠牲も多く、インディアン戦争では虐殺行為も…。リトルビッグホーンの戦いで壮絶な玉砕…。後世では批判的な評も多い。
英雄か、尊大で傲慢な愚人か…?
入学初日から上官のテイプや同期のシャープに睨まれ、トラブルでのスタート。
それは在学時ずっと続き、校則違反、遅刻、寝坊、サボり、喧嘩と絵に描いたような問題児。
学習科目は成績最低。が、馬術や剣術など実技は優秀。
卒業出来るかもスレスレだったが、実技と南北戦争勃発が転機となった。
武勲を立て、一目置かれる存在に。国民からは英雄視。
典型的な机に向かうより実戦タイプ。
書類の手違いで“将軍”に。
ついている男…?
ついてもいるが、ついてもいない。
本人の性格もあるかもしれないが、何かとトラブルや誤解を招く。
配属先で先に位が上がった因縁ある同期のシャープの隊に。
後に妻となる女性リビーと出会う。父を紹介される。が、その父親というのが…。直前に一悶着あり、“太った成金野郎!”と罵った相手。勿論交際には大反対…。
実はついてない男…?
彼の本当の苦境や試練は軍人としての後期。
南北戦争後、一度除隊。が、張り合いの無い日々に酒浸りに。
リビーの計らいで軍に復帰。
その頃合衆国はインディアンとの争い。
スー族の首長クレイジー・ホースと度重なる闘い。話し合いの場を設け、彼らの聖地であるブラックヒルズの和平を約束する。
が、ブラックヒルズで油田が発掘された事から、鉄道会社に就職したシャープが土地の利権を狙い、そのせいで和平は崩れ、カスターは再びインディアンとの争いに駆り出される…。
カスターがインディアンとの和平を望んでいた…というのは史実とは違うとの意見も。
相違や大胆な脚色もあるようだが、政治の駆け引きに利用され、挙げ句和平を結ぼうとしていたインディアンとの闘いで最期を迎えるのは悲劇的でもある。愛するリビーとの今生の別れも…。
彼は英雄か、尊大で傲慢な愚人か…? 運に恵まれた男か、不運に振り回された男か…?
その人間像に迫るのも興味惹かれるが、活劇スター、エロール・フリンの魅力が活かされ、何処か憎めないヒロイックに。
この後9度タッグを組むラオール・ウォルシュ監督と初タッグ。ドラマチックな物語や迫力の合戦を織り込み、作品を大ヒットに導く。
士官学校入学から戦死までの間の武勇伝を主軸にした娯楽作となっている。
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