劇場公開日 1953年6月24日

「エドウィジュ・フィエール様」双頭の鷲 jarinkochieさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5エドウィジュ・フィエール様

2020年3月9日
Androidアプリから投稿

オーストリア皇后エリザベート暗殺事件からインスパイアされた作品
「美女と野獣」の魔法、「オルフェ」での冥界といった映像的遊び場がなくなり
コクトーらしくなく面白みに欠ける
(彼が好きな三島由紀夫は評価…こういうの好きね)

マレーは暗殺者らしく シェイプされており、野生的魅力も見せ(上記の作品より)美しい

しかし演技力では王妃役のエドウィジュ・フィエールには及ばない
(暗殺者も結局、王妃の手のひらで踊らされてしまうことに…格の違いも…見せつける)

生きる屍だった彼女が 次第に生気を取り戻し
顔を隠す黒いベールごしにも 妖しい美しさを見せ始めてゆく…
悍馬を乗りこなす 躍動感は見どころ
その姿勢の良さと細いウェストにも 目が釘づけでした

恋愛感情と共に 矜持や闘志も芽生え、終末の設計図を描いたのでしょうか

戦後のフランスの年増女の魅力全開です

jarinkochie