劇場公開日 1970年9月26日

1000日のアンのレビュー・感想・評価

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3.0懇切丁寧さが作品の平板さをもたらしたか…

2022年8月13日
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フレッド・ジンネマン監督の
「わが命つきるとも」の観た延長で鑑賞。
「わが命…」の3年後に公開された作品で、
話としても「わが命…」の後日談的内容だ。

ブロードウェイ劇の
映画化作品とのことだが、
そうは思わせないほど
上手く映像化が図られていたのでは
ないだろうか。

ヘンリー8世が男子の跡継ぎを得るためだけに
残忍に振る舞う様子や、
ローマ教会から離脱する経緯、
そして、アンが処刑に至るまでが、
詳細に描かれた作品だった。

また、ヘンリー8世やアンの人物像を詳細に、
特にアンの自己意識の強い女性としての
描写は良く表現されており、
許婚がいたので始めは国王の求愛を拒否、
しかし、ローマ教会から離脱してまでの
想いに国王を受け容れ、
最後は国王の人間性の否定から
自ら刑を受け容れるという変遷を
しっかりと描き切って、
それなりにドラマチックなのだが、
しかし、
歴史ドキュメンタリー的知識を
与えてくれるかの如くの全編に渡る
その懇切丁寧さが、
逆にこの作品の平板さをもたらしてしまった
かのような感覚の映画だった。

ラストの幼いエリザベスが
将来の偉大な女王と印象付けるシーンは、
一方で彼女が生涯独身貫いたのは、
母アンの悲恋の影響もあったのだろうかと
複雑な想いに捕らわれた。

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