劇場公開日 1957年12月25日

「人間らしく生きることができない戦争の虚しさ愚かさを描いた傑作」戦場にかける橋 大吉さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0人間らしく生きることができない戦争の虚しさ愚かさを描いた傑作

2025年2月5日
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鑑賞方法:映画館

リーダーシップを発揮して主導権を握っていくニコルソン大佐、主導権を奪われて威厳を失っていく斉藤大佐。
演じているアレック・ギネスと早川雪洲が見事としか言いようがない。

テレビ放映時にはカットされていたのか、協力してくれる村の女たちとの交流など、しっかりと描かれていた割に、意外にもラストのあれほどの大がかりな爆破シーンがあっさりとしていた。記憶ではもっとインパクトがあったように思う。今の映画なら角度を変えて何度も長々と見せられるだろう。
ジェームズ・ドナルド演じる軍医のMadnessの叫びの中で、勇気も反抗も苦労も協力も犠牲も、すべてが一瞬にして消えてしまう戦争の虚しさ、愚かさが、軽快なクワイ河マーチと相俟って際立つ。

頑なに拒んでいた将校の労役や傷病者を働かせることを、自らが指揮を取る立場になるや、、今見ると将校の勝手というか皮肉というか、、。

「勇気という言葉に酔いしれ死に方しか考えていない、人間らしく生きることが一番大切なのに。」
人間らしく生きることができない戦争の虚しさ、愚かさ、狂気。

午前十時の映画祭、一番大きなスクリーンで上映してくれたイオンシネマ津さんに感謝。

(名古屋までパピヨン観に行こうか、こっちにしようか迷ったけど、せっかく大きなスクリーンで上映してくれてるからこちらを選びました。旧作のリバイバル一日一回の上映なら、午前十時の映画祭と被らない時間帯でお願いします)

(大島渚が生前に企画していたという早川雪洲の伝記映画、真田広之さんプロデュースで実現しないかな)

大吉
kossyさんのコメント
2025年2月5日

共感&コメントありがとうございます。
サル、ゴリラ、チンパンジーは覚えやすいですよね~w
数十年前の小学校の運動会でよく流れてましたけど、今は使われないかもしれませんね。

kossy
トミーさんのコメント
2025年2月5日

共感ありがとうございます。
ニコルソンも軍人一辺倒とは感じてなかったんですが・・あの一瞬、利敵行為?となってしまったのが本人にとっても悲劇と思いました。
ただ一人の生き残りに向けられる女たちの視線が痛かったですね。

トミー