劇場公開日 1957年12月25日

「ニコルソン大佐の哲学」戦場にかける橋 根岸 圭一さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ニコルソン大佐の哲学

2024年3月3日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

ニコルソン大佐は、軍人である以前に人としての哲学を持つ人物だ。彼は日本軍の捕虜になっても人としての誇りを失わなかった。将校は労働をしないというジュネーブ協定の条文を根拠に、捕虜になっても労働への従事を拒否した。日本軍の利益にしかならない橋の工事も手を抜かずにやった。戦争に勝つことだけを考えればマイナスにしかならないと思うが、彼にとっては人としてあるべき姿であることが最も大事なのだ。『プライベート・ライアン』のミラー大尉を連想させる魅力的な人物だと感じる。

ニコルソン大佐は、将校は部下から尊敬されてこそ将校として指揮を執れるという旨の発言をしている。彼が懲罰房から解放されたときの部下達の歓声から、部下から尊敬されていることが伝わってくる。彼が橋建設の指揮を執ってから工事が進展したことからも、口先だけ立派なことを言う人間では無く、行動と能力の伴った人物であることが分かる。

根岸 圭一
琥珀糖さんのコメント
2024年3月6日

根岸さん
はじめまして
共感とフォローバックありがとうございます。
光栄です。

根岸さんのレビューは名作中の名作ばかり。
理知的でとても分かり易くて読みやすいです。

よろしくお願いします。

琥珀糖