劇場公開日 1949年9月13日

「ネオリアリズモの名作」戦火のかなた あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ネオリアリズモの名作

2018年10月10日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

6編の短編で構成されるオムニバスが、時系列に従い順に並べられる
結果的に舞台もシチリア島から北イタリアのポー川に移って行く

どれも本当にあったかもしれないレベルのエピソードを若きフェリーニが手際のよい脚本に仕立てて、それぞれ味わいのある物語を展開する
それも終戦後数ヶ月の混乱の中で
演じる素人の人も、撮る側の人間もみなつい最近までの、個々の自身にも身に覚えのある記憶がそのまま生々しいままでフィルムに焼き付けられているのを感じる

監督と製作陣、素人役者達のそれを映画に残すのだとの情熱が感じられる
戦中、戦後すぐのハリウッドのお気楽な作品とは天と地の差だ
イングリットバーグマンも映画人の情熱を求めてしまったのだろうと、彼女がロッセリーニ監督の下に走り不倫にまで至った、その行動に納得ができる作品だった

あき240