「2023年の今、1960年代の日本に感じること」007は二度死ぬ トコマトマトさんの映画レビュー(感想・評価)
2023年の今、1960年代の日本に感じること
BS日テレで放送したものを録画して視聴。
このところ、同チャンネルではショーン・コネリー主演版を続けて放送していた。
本作以外の「ロシアより愛をこめて」「ゴールドフィンガー」も見たが、録画したものを飛ばし見して終わり。
テレビで映画を見るとどうしても飛ばし見してしまう。
しかし、本作はじっくり、繰り返して見たくなった。それだけ面白かった。
劇場で007シリーズを見たことは数えるほどしかないし、ショーン・コネリーが出ていた当時は小学生だから、見たことはない。
現在の、ダニエル・クレイグ版も1-2本は見たろうか。もともとスパイアクションとかはあまり好きではないので、積極的に見ないし、見たとしても記憶に残らない…。
本作については、過去に何度もテレビで放送されたのを見ているはずだが、ホテルニューオータニからトヨタ2000GTで逃げだすとかの場面を断片的に憶えているだけ。
今回、改めて見て、ボンドが乗るオートジャイロと悪役のヘリとの空中戦。双発のヘリが走っている車を磁石で持ち上げて港に落とす…なんていうすごい場面に驚いた。
CG全盛で、それが薄っぺらく見えるのに対し、アナログの合成技術のほかは、限りなくリアルに撮影したであろう当時の現場の息吹が伝わるのだ。
今は墨田区両国にある国技館が、当時は台東区蔵前にあった。その内部の支度部屋の様子や、夜の銀座に輝くネオン…。今が元気なトヨタ、SONY、サントリーなどの企業の存在がわき役として光る一方、東芝のネオンサインなどはちょっと悲しく感じる。
60年近い年月というのは、そういうことなのだろう。
日本の姿が珍妙に描かれている…とは、今の自分は思わない。若いころなら、怒ったかもしれないが、1966年現在で西洋人・ハリウッドの人間が描くなら、これで十分バランスが取れているのではないか…。
映画っていうのは、一種のタイムカプセルである。日本人には、東京に住む人間にはことにそれを感じさせる作品だ。
録画した本作をBDに焼いて残そうと思ったが、自分が契約する海女プラ…違った、アマゾンプライムでも字幕版、吹き替え版とも無料で視聴できることを知った。
しかし、アマプラだとやはりちょっと見づらい感じがするので、やはりディスクに落としておこう、と思う自分はやはり昭和の、アナログおじさんなんだ、と再認識。