「珍日本紀行」007は二度死ぬ ipxqiさんの映画レビュー(感想・評価)
珍日本紀行
「三大怪獣」での日本のオードリーこと若林映子さまがあまりにまばゆく、もっと見たくなってAmazonへ。
吹替と字幕の両方がある場合、通常は吹替から観る(セリフがカットされにくい)のですが、日本が舞台で日本人キャストが大勢出てくるので、字幕で観ないと二か国語の使い分けがわかんなくなるので途中から字幕版に移行。
丹波哲郎がやけに流暢な英語を…と思ったらさすがに吹替え。
ボンドとタメを張れる有能なエージェントで自前の鉄道まで持ってる謎のリッチさ。同時期のゴジラでお金のなさを目の当たりにしてると苦笑しか湧いてこない。
逆に海外のエージェントが日本に来たらあまりに貧乏かつ謎の慣習を遵守するあまり全然役立たず…みたいなブラックコメディができるんじゃないかと思ったほど。
敵の企業のオフィスも欧米仕様(広くて入り口に秘書がいてミニバーや仏像が置いてある)だったり、堂々と忍者が出てきたり徹頭徹尾ファンタジー日本なわけですが、そもそも007自体が荒唐無稽なキャラクターなのでもはや気にならないという。
なにしろ死を偽装するためだけにわざわざ潜水艦で遺体を回収したりしてるくらいなんで。。
肝心の若林映子さまはちゃんと英語も自前だし水着?になられたり唇を奪われたり頑張れば頑張るほどおいたわしや…という気持ちに。
超冷淡な去り際からのさっくりと浜美枝へスイッチ。。
「日本人女性は惜しみなく男に奉仕してくれる(性的にも)」っていうのはさすがに有害なイメージの流布と思いますが、ボンド自体が問題のある男らしさの象徴のようになって久しい現在。
ピチピチのショーン・コネリーはさすがにかっこいいけど、セクシーで危険を回避したり、わざわざ危険な任務に女を伴って行ったり、今となっては不愉快というより不可思議。
女のエスコートがないと仕事が回らないのにそこは問われず、自分では出さないのに金回りも良かったり、ほぼヒモに見えてくる。
強くてセクシーだけど内面がない。本来なら容赦なく切り捨てられる末端なのに疑問も持たず積極的に危険に飛び込んでいく。。
そこをボンドを痛めつけたり可哀想に見せることで近年ではカバーしようとしてると思うのですが、でもこのチャラさ、地に足のつかない優雅さを除いたらボンドである必要性も薄れてしまうわけで、端的に言ってアンビバレンス。
日本の街並み含めてもう今は存在しない遺物の記録としての価値が出てきてるんだなと思いました。
いくらセクシー目線とはいえ海女さんが出てくるのは、よくそこに行き着いたなって感心してしまった。
相撲や神前式の場面も目につくおかしさはなくて、珍味の割に思ったよりちゃんとしてるなという感想でした。
テンポが良いので長いけど見やすかったです。