聖衣

劇場公開日:

解説

シネマスコープ方式によって撮影された第1回作品で、「快傑ダルド」のフランク・ロスが製作し、「人生模様」(第1話)のヘンリー・コスターが監督に当った。聖書に取材したロイド・C・ダグラスの原作を、「愛欲の十字路」のフィリップ・ダンが脚色した。撮影は「哀愁の湖」のレオン・シャムロイ、音楽は「わが心に歌えば」のアルフレッド・ニューマンの担当。主演は「砂漠の鼠」のリチャード・バートン、「悲恋の王女エリザベス」のジーン・シモンズ、「バグダッドの黄金」のヴィクター・マチュア、「五本の指」のマイケル・レニーで、舞台出身のジェイ・ロビンスン、ディーン・ジャガー「狙われた駅馬車」、トリン・サッチャー「砂漠の鼠」、リチャード・ブーン「綱渡りの男」、新人ベッタ・セント・ジョン、アーネスト・シージガー、ドーン・アダムスらが助演する。

1953年製作/135分/アメリカ
原題または英題:The Robe
配給:20世紀フォックス
劇場公開日:1953年12月26日

ストーリー

タイベリアス皇帝治下のローマ。若い貴族の護民官マーセラス・ ギャリオ(リチャード・バートン)は、帝位をつぐことになっていたキャリグラ(ジェイ・ロビンスン)と競って、奴隷デミトリアス(ヴィクター・マチュア)を買いとり、そのためキャリグラの恨みを買って、エルサレムへ左遷された。マーセラスの好意で自由の身となったデミトリアスも行を共にした。マーセラスの最初の仕事は、神の子と自称するイエス・キリストを捕まえ、はりつけにすることであったが、イエスを本当の救世主と信じるデミトリアスは、イエスを守った。しかしイエスはジュダスの裏切りで遂に処刑された。マーセラスは良心のとがめを感じ、酒の酔にまぎれて同僚とサイコロ遊びに興じ、イエスがまとっていた聖衣を手に入れた。マーセラスがその聖衣をまとおうとすると、彼は突然うちのめされたように倒れ、衣を投げすてた。デミトリアスはその衣を拾い、主人を捨ててイエスへの帰依を誓った。マーセラスは、以来心の平静を失い、役目をとかれてローマに帰り、幼馴染のダイアナ姫(ジーン・シモンズ)の愛情に心のおちつきを得た。だがキャリグラはダイアナ姫を自分の正妻にしたいと望んでいた。タイベリアス皇帝は、マーセラスのイエスが真の救世主であるかどうか調査を命じた。マーセラスはガラリア地方に赴き、そこでイエスの教えを説くピーターと呼ばれる漁夫サイモン(マイケル・レニー)と語らい、デミトリアスとも再会した。マーセラスはすっかりイエスの教えに心服し、ローマへ帰ると、すでにタイベリアス皇帝亡く、キャリグラが即位していた。キャリグラはキリスト教の弾圧を行い、まずデミトリアスを捕えて拷問にかけ、マーセラスの居所を知ろうとした。マーセラスはデミトリアスを救い出したが、自らは捕らえられ、反逆罪に問われた。彼は信仰をあくまでもすてず、ダイアナ姫も彼に従った。2人は殉教者として死を選び、安らかな心で刑場へひかれて行った。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第26回 アカデミー賞(1954年)

受賞

衣装デザイン賞(カラー) チャールズ・ル・メア
美術賞(カラー)  

ノミネート

作品賞  
男優賞 リチャード・バートン
撮影賞(カラー) レオン・シャムロイ
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映画レビュー

3.0興味はなぜ宗教作品だったか?

2022年7月2日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

記念すべきシネスコープの1作目が、当時であれば西部劇でなく、信仰的な作品であったのか気になる。時代的背景では、1950年代前半の世界は米ソ冷戦に突入、アメリカでは公民権運動で人種差別に抗議が始まる。そんな風潮の中、好戦的な作品は避けたのか? あるいは変調の入り口を認識し、普遍的なものを求めたのか?
作品はせっかくの大画面、セットの書き割りが逆に気になったりして。ただ、当時のハリウッドスタジオの活気は十分感じられる。ジーン・シモンズの美貌が引き立っていた。

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Bluetom2020

4.0制作当時のキリスト教信仰を理解するにはいい映画

2021年6月11日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 キリスト教プロテスタント教会の牧師の視点で解説させていただきます。
あらすじは、最初は否定していたが、不思議な体験を通して、回心し
最後には殉教の道を選ぶという、信仰を題材とした映画であればオーソドックスなもの。
最後には、天国に続く道を歩むかのような描写に、キリスト教信仰の色が濃かった
当時であれば、「あー、どんなに苦難が待ち受けていようと信仰を貫き通すことが
大事なんだ」と思えたことでしょう。これはこれで大切な感想です。私も婚約者のダイアナが
主人公と同じ国に参りますと、皇帝に言い放ち、主人公と歩む姿に胸が熱くなりました。
 ただ、キリストが身に着けていた物に、不思議な力が宿ることはありません。聖遺物などと
いわれますが、それはあくまで信仰者が神やキリストを身近に感じる契機にすぎません。
ですから、「聖衣」という題名が果たしていいのか?という気がします。まあ、この衣が一人の
人生を変えたという意味では、ただの布切れではなくなっているのですが。
(この映画はフィクションです。念のため。)
 また、この良き時代のアメリカでも、黒人差別は横行しており、「あなたの隣人を愛せよ」という
キリスト教最大の教えを、白人信仰者はどのように理解していたのだろうかという疑問がわきます。
良い映画というのは、やはり見た人の人生に何かしらの足跡を残すものでしょう。

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大井啓太郎

4.0偉大なるキリスト讃歌

2020年12月26日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

チベリウスの治世18年目の史上最強のローマ。リチャードバートン扮するマーセラスガリオ将校の前に幼い頃結婚しようと言ったジーンシモンズ扮するダイアナが現れた。マーセラスは、ヴィクターマチュア扮するギリシャ人奴隷ディミトリアスを買って従者にしたためカリグラ皇帝の怒りを買いエルサレムへ左遷された。マーセラスの仕事としてイエスを罰する事だったが、ディミトリアスはエルサレムでイエスに危険が迫っていると知らせ様としたが遅かった。ディミトリアスは、イエスを磔にしたローマ帝国なんて呪われてしまえとマーセラスの元を去った。マーセラスは、ダイアナにイエスの衣をまとってから心の病に犯されていると言った。マーセラスは、皇帝の前でもおかしな事を口走った。皇帝は、マーセラスに衣を探し出して葬れと命じた。果たしてマーセラスは呪いを解けるのか? 非常に多くのキャストと金がかかった大作だったね。ダイアナの美しい愛を含めてまさに偉大なるキリスト讃歌だ。

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重

3.0古さを感じたが

2019年7月6日
Androidアプリから投稿

色々な面で古さを感じるけれど、当時としてはよく頑張って作ったんだろうな…

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あま・おと