「テレビドラマ的な面白さはある。」スリー・リバーズ 瀬戸口仁さんの映画レビュー(感想・評価)
テレビドラマ的な面白さはある。
ピッツバーグの刑事トム(ブルース・ウィリス)は、父ヴィンス(ジョン・マホーニー)、叔父ニック(デニス・ファリーナ)とその息子ダニー(トム・サイズモア)とジミー(ロバート・パストレリ)も警官という、警察官一家。
しかし、猟奇連続殺人事件の捜査中に、父ヴィンスが殺される。また、暴力事件を起こしたジミーは、従兄弟であるトムの証言が決め手となって有罪が確定。ジミーは投身自殺するが、遺体は見つからなかった。
その2年後、河川のレスキュー隊に異動したトムは、女性ダイバーのジョー(サラ・ジェシカ・パーカー)とコンビを組む。その一方、2年前の事件と同じ手口で、トムの元恋人ばかりが狙われる連続殺人事件が発生する、、、。
話の展開が読めてしまうひとが多いだろうし、ものすごい躍動感や抑揚を感じる映画では無い。スリラーではあるが、いまひとつスリリングさに欠ける。決して明るい物語では無いし、身も蓋もないようなオチで、期待外れと感じる人も多いだろう。
ただ、映画のテンポ自体は悪くないので、最後まで飽きることなく、最後まで見続けることが出来る。テレビドラマにありがちな展開で、地上波吹替に向いている作品ともいえる。
公開当時、ブルース・ウィリスさん、すでに『ダイ・ハード』シリーズでスター俳優の仲間入りを果たしているが、他の作品だと、『虚栄のかがり火』(1990年)『ハドソン・ホーク』(1991年)に続く本作(1993年)と、興行的に失敗が続くのよね。
本作の原題は『Striking Distance』(「すぐそば」「手元」「手の届く所」などの意味)。ただし、当初の原題は、邦題となった「スリー・リバーズ」と同じく、『Three Rivers』だった。
実は、米国で『Three Rivers』として1993年5月公開予定だったが、オリジナル版が試写会で不評だったので、ストーリーが変更され、いくつかの筋書きがカットされ、大規模な再撮影の末に『Striking Distance』と改題し、9月公開となっている。