劇場公開日 2016年12月17日

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スモークのレビュー・感想・評価

全50件中、21~40件目を表示

4.5煙の重さのように、本作を見た後と前では何かが違っている

2019年4月17日
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鑑賞方法:VOD

個人評価:4.4
男たちが語り合う最中には、常にシガーが登場し、美味しそうに燻らしている。
物語の冒頭に語られた、煙にも重さがあるという小話。吸い終わった吸殻と最初のシガーとの重さの差が煙の重さだと。
それを比喩するように、男達が話す会話劇があり、なんでもない小話だが、それを聞いた後と前とでは、少しだけ気持ちや考え方が変わっている。目には見えない違いだが、まるで煙の重さのように。
ある煙草店を中心に集まった人達の群像劇を、とても鋭く、そして見逃してしまうような出来事を繊細に描いている。
素晴らしく綺麗で優しく、人間の本質を捉えた作品であると感じる。

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カメ

3.0難しくないのに難しい?

2019年4月14日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

それぞれのシーンはとても好きだ。地味だがその分余計に役者の演技がものを言う映画だ。そしてそこが素晴らしい。で私はその散りばめられた話が伏線となって最後に結集するのを待っていたものだからポカーンとしてしまった。みんなのレビューを読んで確認。これはそれぞれの物語なのね。人物に繋がりがあったというだけで。こういうのをリアルタイムで理解できない自分の不甲斐なさを感じたわー。

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Sheeta

5.0これだから単館映画はやめられない

2019年3月10日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

Netflixで再見です。

やっぱりカッコいいなぁー。
当時この映画をきっかけに、ハーヴェイ・カイテル出演作を片っ端から観た覚えがあります。

私は完全な嫌煙家で、身体に悪くて他人に迷惑かけるタバコを高い税金払って吸う考えが全く理解できない!と思っているのですが、この映画を観ていると、タバコ選びや吸い方にも個性があってカッコいいなぁ、と、生まれ変わったら愛煙家もいいなぁ、と思えてくるから不思議です。
それくらいカッコいい。
ポールが細くて茶色いタバコを吸う前に何度か舐める仕草とか、冒頭の煙の重さを計る逸話も。なんというか…粋なんです。いちいち洒落てる。クリスマスの話も。

しかし話しているオーギーの口元にぐんぐん寄っていくカメラワークはなんなんだろう?
それとエンディング、昔話がモノクロで再現され始めた時、正直、え、やめて!見たくない!イマジネーションだけでいいし!(オーギーも老けてるし笑)と思いましたけど、見終わる頃にはすっかり抵抗もなくなっていました。

死ぬまでに、まだまだ何回も観る映画だと思います。

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モグワイ

5.0何気ない日常の素晴らしさ

2019年2月11日
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映像美といい、キャスティングといい、そしてストーリーが 実に素晴らしい。
ラストにはTom Waitsの曲と共に、この映画のすべてを撮し出す。
人が持つ「優しさ」をテーマにしています。

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The Springfield

5.0引き込まれていつまでも終わって欲しくないと願ってしまう映画

2018年10月10日
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舞台劇のような構成の見事さ
ハーヴェイ・カイテルの語り口はまるで咄家の話芸のように引き込まれる芸の域だ
その他の役者達も芸達者な演技だ
そして影の主役はなんと言っても下町ブルックリンのなんの事のない騒音だ
あたかも観ている自分もこの下町人情物語の登場人物になったかのように、そこにいるかのように感じられるのだ

演出も見事だ
ラストシーンのクリスマスストーリーの回想シーンは特に素晴らしい
オーギーが若い姿ではなく現在の初老の姿のまま撮られているのだ
つまり実は去年の年末ことだったのかも知れないし、本当に76年の事だったのかも知れない映像になっている
カメラの箱は当時のモデルの箱だからだ
でも当時から新品のまま老婆の家に残されていたのかも知れないともとれるのだ

オーギーが写真を撮り初めた動機がそれなのかも知れないし、そうでないかも知れない

18年前に別れた女がきっかけかも知れないしそうでないかも知れない

でも、よく観るとオーギーが語る直前に見た新聞の宝石店強盗犯の写真の右の男の名前が、財布を落とした万引き少年の名前と同じではないか
新聞の写真の左側の男が持つネームプレートはクリムとある
だからポールの家に押し入ってトーマスの居場所を訊いた男だ、右側の写真の男はあの時にいた帽子を被った子分だ
回想シーンに登場する黒人の万引き少年の顔も同じだと思う
しかも冒頭では白人少年が同じように万引きするシーンも有ったではないか

だから、全部オーギーのデマカセ?
いいや、あの時の黒人の万引き少年が大人になって強盗犯になって射殺されていたのを新聞で知って、感慨深く思い出したのかも知れないではないか

そんなことはどうでもよい
クリスマスにはいい話ききたいだろ、それだけさそういうことだ

普通のしけた人間同士が大都会の下町の片隅で肩寄せあって生きていて、街角の煙草屋で顔を合わせている、それだけのことでいいのだ
それが生きていることの価値なのだ

煙草の煙のように何の必要性もない
それでも必要なのだ

引き込まれていつまでも終わって欲しくないと願ってしまう映画でした

製作総指揮に日本人の井関惺さん、製作に他二人の二人の日本人の名前かあります
このような素晴らしい映画の製作に日本人が関わっていること誇らしく思います
日本映画の製作だけでなく、世界の舞台でもっと日本人が映画作りに活躍して欲しいと思いました

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あき240

4.0タイトルなし

2018年4月5日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ニューヨーク ブルックリンの片隅
街角の小さな煙草屋
そこに集う人間のドラマ
.
嘘と真実
ウィットに富んだ会話
最後に流れる音楽
派手な演出なく
沈黙は優しく燻らす煙草の煙の中へ

1995年公開
今観たから良いと感じることが出来たのかも
渋い大人の映画でした
.
ポール・オールスターの短編小説
「オーギー・レンのクリスマス・ストーリー」原作
騒がしいX'mas時期に静かに観たい映画かな

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lily

4.5人に優しく

2018年3月18日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

幸せ

みんなそれぞれ人には言えない小さな傷を抱えている。だから人に優しくなれる。

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はる

4.0素敵な大人映画★

2018年2月4日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

すごく淡々としているけれど、
じんわりと心に響く大人映画。
ストンと身に染みて、心が温かくなります。
が、これが心に響くような年齢になったのか、と。笑
若かったら早送りしちゃいそう(笑)

実生活では煙草って苦手だけど、
映画とか舞台ではぐっときてしまうのも不思議。

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runa

5.0言い様のない沈黙を煙草の煙で埋めて

2018年1月5日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

幸せ

ええと、これ、実は一昨年のクリスマスに投稿しようと
してたレビューです。まあほら、ね、クリスマスも
海外じゃほぼ新年のイベントじゃないですか。
縁起の良い映画ってことでひとつ許してくださいな。
(のんびりにもほどがある)

ウェイン・ワン監督、ポール・オースター脚本。
大好きな映画『スモーク』が一昨年前に
デジタルリマスターで再上映。この日は
クリスマスイヴだったので、クリスマスっぽい
映画が観たいのうと、ちょっと遠出して
初来訪の静岡シネギャラリーにて鑑賞。

舞台は1990年夏のニューヨーク、ブルックリン。
妻を亡くして以来、本を書けないでいる作家ポールと、
彼の行きつけの雑貨屋の主人オーギーを中心に語られる、
少し可笑しくて、哀しくて、そして暖かな人間模様。
……え、真夏のニューヨークを舞台にした映画の
どこがクリスマス映画だって? 本作を未見の方なら
そう思うだろうが、それはエンドロールまでのお楽しみ。



雑貨屋の主人オーギーのライフワークは、
同じ時間、同じ場所で写真を毎日撮り続けること。
アルバムに収められた写真は一見すると同じだが、
無数の人々の無数の表情、そのひとつひとつが毎回異なる。
それは彼/彼女が確かにその瞬間に存在し、生きていた証だ。
普段想像するのは難しいが、雑踏で通りすがる見知らぬ人々
にもこの物語の主人公や、自分自身と同じくらいの、
いやもしかするとそれ以上の密度の人生が存在している。

その優しい視線が、つらい環境に置かれた
ひとりひとりの登場人物たちに注がれている。
生き別れた父のことを理解したいと、
身分を隠してその父の仕事を手伝い続ける少年。
喪失を分かち合い受け容れて欲しかったろうに、
醜く頑なな態度しか取れずに泣いた少女。



タイトル『スモーク』の意味を考える。

とある場面で、父と息子との間に流れる張り詰めた沈黙。
その言い様のない沈黙を、お節介焼きな作家と雑貨屋の
煙草の煙がふんわりと埋めていく。それをきっかけに、
刺々しかった沈黙が、少しだけ柔らかい沈黙へ変わる。
この父子はきっとこの先もやっていけるだろう。
なんとなくだけど、そんな心持ちになる。

受け容れられない人間との間で流れる沈黙は
苦痛だが、逆にその沈黙が苦痛でなければ、
それはその人を受け容れ始めている証拠だ。
相手がいることを受け入れる気持ち。
相手と沈黙の時を共に過ごそうという気持ち。
煙はきっと、相手を受け入れようとする優しさだ。

冒頭でポールが語る、煙草の煙の重さを
量ったというウォルター・ローリー卿の逸話。
煙草の重さを量り、そのあと秤の上で
煙草を吸い、灰をそのまま秤に落とす。
最後に吸殻を乗せ、最初の煙草の
重さから引けば――それが煙の重さ。
それまで費やした人生と、これから費やす人生。
その合間を埋める煙。煙こそ、これまで自分の
人生以外に費やしてきたものなのかも。



映画の最後、オーギーがポールに語る物語は、
本当か作り話かは分からないけれど、思わず
涙が出てしまうほど堪らなく優しい物語だし、
その一方で残るわずかな後ろめたさが、
そこに真実味を与えていると思う。

「秘密を分かち合えない友達なんて友達と言えるか?」
薄く微笑みながら、旨そうに煙草を燻らせるオーギーとポール。
そして流れるモノクロのエンドロールと、しわがれ声で
トム・ウェイツが唄う『Innocent when you dream』が、
煙のように目に沁みる。

この映画を観れば、誰かと一緒に温かい食事を
摂ることの幸せさや、人に優しくすることで自分の
心が満たされる感覚を多少なりとも思い出せるはず。
遅くなりましたけれどハッピー・ニュー・イヤー。
今年も・今年は・今年こそ・善い年になるといいですね。

<了>

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浮遊きびなご

2.0淡々とした作品

2017年12月10日
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鑑賞方法:映画館

111席シアターを独占鑑賞。日常生活を淡々と描いた作品ですが共感できるような場面は無かった。退屈しないが面白みもない。残念ながらこの作品の良さを感じる事が出来なかった。
2017-175

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隣組

3.0記録だけ

2017年6月5日
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鑑賞方法:映画館

幸せ

寝られる

これは寝ました完璧に覚えてないです笑。
なんか素敵な雰囲気のポスターじゃないと思ったら意外と経緯が複雑なものだったのが意外笑。

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オレ

4.5映画ってこうでなきゃな。

2017年5月19日
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淡々としていているようで人物の気持ちの機微の変化を丁寧描かれた晴らしい作品だと思う。
こじれた人には心の琴線に触れるモノがあり、嘘にも人を幸せにするものもあるなぁと思わせる映画です。

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usihsih

3.5吸わないタバコを

2017年2月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

公開当時観たが、定点撮影の事以外ほぼ忘れて初見の様に楽しんだ。
何故かハーベイ・カイテルの真っ赤なアロハだけは見た途端そうそう、と思い出した(^-^)
観るきっかけは、ポール・オースター好きからだが、メインのストーリーに加え、色んなエピソードのひとつひとつが正に、と言えるようなものばかり。氷漬けの父親との再会のエピソードは、萩尾望都の漫画で脳裏に再現された。エンディングで映像化されたエピソードに至っては、内容いかんを問わず詰め込みすぎ?の感が。

今回一番印象に残ったのは、フェリシティの最後の表情の変化でした。

また観たいと思う映画です。同時にポール・オースターの本も読みたくなりますね。ついでに…

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濡れ手に

5.0公開時に観たけどまったく内容忘れてた。 すごく好みの映画だった。 ...

2017年2月16日
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鑑賞方法:映画館

公開時に観たけどまったく内容忘れてた。
すごく好みの映画だった。
ハーヴェイカイテルはセクシー。

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Rubysparks

3.0期待しすぎた

2017年2月10日
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ひねくれたおっさんが好きそうな映画

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くらげ

4.0日常のような非日常があたたかいで賞

2017年2月8日
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心あたたまる映画だった。
人と人との繋がりが素敵で、
ぐっときた。

それぞれの登場人物を深く描いていて、あくまで日常の一コマとして映しているところがよかった。みんな上手く繋がっていて、でも最後にどーんと集大成!って感じでもなく、あくまで日常的。そこがいい。

禁煙中の人は観ないほうがいいかも(笑)

タバコのスモークのように、ぷかーっと過ぎてく日常が、重さがないようで、実は重いことを伝えてくれる映画だった。

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おしずし

3.5日常こそ映画

2017年2月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

何か起きるけど、なにも解決はせず、青年との関係もすっきりすることはなく、ただ日々が過ぎていくだけのようだが、よく見ると落ち込んでいた主人公はなんだか元気になっているじゃん。という、日々の生活、その中での緩やかな友情の凄さっていうのかな。を感じた。
ラストはBGMが少しかかるけど、それ以外は全くなしで、電車やら車やら雑踏といった実際の生活の背景音を意識的に入れている。それでストーリーを見せていくというのは凄い。音楽に頼らないという意味で映画的だ。

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CB

4.5煙のようにあるようでないないようである

2017年1月18日
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鑑賞方法:DVD/BD

一切皆空という仏教の言葉を思い出しました。一番出汁のように味わい深い映画です。

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さばとら

3.5時が経つに連れて…

2017年1月17日
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鑑賞方法:映画館

おっ, 何で以前に公開していた作品を今ヤるんだろう?と思いつつ, 鑑賞記録。 至ってストーリーは単純というか,後からレビューを書きたくなった。 後から後から,じわじわと回想シーン的な部分の温かみの良さを醸し出す作品だからこそ、『デジタルリマスター版』?というものが作り直された意味を感じちゃったんだよねぇ~( ͡° ͜ʖ ͡°)

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サクちゃん

1.0渡る世間に鬼はなし

2017年1月12日
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鑑賞方法:映画館

味のある役者を活かし、余韻を愉しむ作りをしており、描写不足は受け手に補わせる手法。

同じ場所や時間でも、そこに写るのは掛け替えのない一瞬であり、その一コマ一コマが物語を作る。
ベタな話だが、多忙な現代社会において魅力がある。

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たろっぺ