「マグジー・ボーグスが見られます!」SPACE JAM かせさんさんの映画レビュー(感想・評価)
マグジー・ボーグスが見られます!
マイケル・ジョーダン主演。
【ストーリー】
1994年。
タクシー運転手をしていた父親の死にショックを受けたマイケル・ジョーダンは、父の夢だったメジャーリーガーをめざし、ホワイトソックスの下部球団バーミングハム・バロンズに所属していた。
30歳でのルーキーシーズンを、新鮮な気持ちで戦っていたジョーダン。
一方宇宙では(え?)テーマパーク"モロン・マウンテン"が経営上の危機をかかえていた。
経営者スワックは、地球で有名な"ルーニーチューンズ"ことバッグス・バニーら5名を誘拐して、奴隷として働かせようとする。
そんなのヤダヤダとチビ宇宙人たちにバスケ勝負を提案すると、なんとやつらはNBAスター選手たちのスキルを吸いとって自分のものにしてしまった。
バッグスたちは、CM出演で知りあったマイケルに助けを求めるのだが。
やっちまいましたね…。
この映画はまあ、珍品なんですが、実写とアニメを合体させたらそらもう大体珍品になりますわ。
ほら、えーっと、トムジェリとか(小声)
でもマイケル・ジョーダンが出てるのなら、これは見ねばなるまいと、勇んで出かけた大阪は梅田だっけ?の映画館。
字幕で見たんですが、まあもう、それは自分が悪い。
予想はついてたはずだよ?
マイケル、演技超下手なんですよ(笑)
もう棒読みもいいところで、感情こめてるシーンはただ声を大きくしてるだけ!
マイケル・ジョーダンってバスケめちゃめちゃ上手いのに、他のことはおどろくほどぎこちなかったりするんですね。
野球とか。
『マイケル・ジョーダン プレイグラウンド』ってMVがあって、そこでダンサーと共にリズムをとるジョーダンの姿が見られるんですけど、ボックスステップですらぎこちないんですね。
あんなにスタイリッシュな体型なのに。
あんなにかっこよくドリブルから美しい空中姿勢作って、ダンクに持ち込めるのに。
なのに映画は棒読み。
ボックスステップはこわばった顔でニョコニョコ動くだけ。
YouTubeにアップされてて、作業用BGMに垂れ流しにするんですが、あんなに気まずそうなジョーダンはなかなか見られないですよ。
といっても、アスリートに演技させて感心したことってまずないじゃないですか。
彼らは感情を抑制することでコンスタントに成績をあげる訓練をしてるし、宇宙人に能力をうばわれて悔しがるなんて考えたこともないんだから。
吹き替えなら山ちゃんだから、見やすかっただろうなあ。
ってな擁護がバカバカしくなるぐらい演技うまいのが、
「ヘーイ!鳥だ!飛行機だ!いいや空飛ぶ冷蔵庫だ!」
のチャールズ・バークレー。
この丸っとしたパワーフォワード、コメント求めたら感情たっぷりこめて面白トークえんえん語ってくれる愛らしい奴。
少ししか出てないんですけどもうね、なんか一番演技できてるんですよ。
さすがサー・チャールズ。
思わず敬礼したくなりました。
マジック・ジョンソンのライバル、ラリー・バードも出てます。
闘将と呼ばれた、熱き哲人です。
もう一人語りたいのが、マグジー・ボーグス。
ほら、能力奪われた中にちっこいガードいたじゃないですか。
あの人身長160センチしかないのに、NBAで10年ぐらいレギュラーメンバーとしてスタメン出場してた、マジモンの超人なんです。
高校時代はバスケと共にレスリングでも活躍し、全米チャンピオンにかがやいたことも。
いっしょに出演してたヌボーっと大きなセンター、パトリック・ユーイング(赤木)のシュートをブロックしたこともある身体能力の持ち主でした。
「マイケルのようなスターは今後も出てくるだろう。だが、マグジーは二度と出てこないかもしれない」
と言われた、モノホンの男です。
えーあれですね。
マグジー・ボーグスのことを語れて、よかったです。
もし宇宙人につかまって、強制的にこの映画をご覧になる機会でも訪れてしまったのならば、マグジーとサー・チャールズとラリーの活躍も、楽しんでみてほしいかな?っていう(笑)