素晴らしき戦争のレビュー・感想・評価
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「ジーザス・クライスト・スーパースター」と同じ、舞台ミュージカルを超えた作品では…
「ゼイ・シャル・ノット・グロウ・オールド」 を観た関連で第一次大戦物として 「西部戦線異状なし」「1917」に続いて 再鑑賞。 昔むかし、初鑑賞した直後の記憶としては、 大脱走でビッグXを演じたアッテンボローの 監督作品であること、 ミュージカルであること、 ラストが膨大な数の白い十字架の墓標の 場面だったこと位しか覚えてはいなく、 そのラストシーン以外の印象は薄く 名作とのイメージは無かった。 しかし、再鑑賞で私の評価は一変した。 この作品の素晴らしさは、 描かれる反戦思想描写が、 多分に舞台でのものがベースに なっていると思われるものの、 映画ならでは特性を駆使して、 舞台では無かったであろう、 場面転換の装置にした遊園地の扱いや、 赤い花を死のモチーフに使う手法が巧みで、 この作品におけるストーリー展開上の 優れた要素にしていると感じた。 数多くの優れた反戦要素が 散りばめられていたが、中でも、 戦争の優劣を失われた人命の数で把握する 軍隊上層部の描写や 宗教までが戦争を後押しする場面などが、 白い十字架に埋め尽くされた 草原のラストシーンと共に印象に残った。 そして、現実はこの膨大な数の十字架の 何十倍の犠牲者を生んだことを想像すると、 戦争の悲惨さを更に思い知らされる名シーン として改めて記憶された。 映画が名作になるかどうかの一つの要素に、 製作意図貫徹への強い意思が必要だろうが、 「1917」では感じ取れなかった 各エピソードの本旨への集約性が、 この作品では全てが本旨と結び付いており、 これは脚本の出来の違いもあるだろうが、 監督としての意思と能力の差でもある と感じると共に、 世界大戦を知っている世代と 経験していない世代の差でもあるのかなと 想像もしてみた。
戦争ミュージカル映画。戦争映画でミュージカルなんて異色!第一次世界...
戦争ミュージカル映画。戦争映画でミュージカルなんて異色!第一次世界大戦をミュージカルで表現した反戦映画。死を表す赤いケシの花とラストの白い十字架が並ぶ姿がとても印象に残った。戦争の阿保らしさと"前線"に立つ者以外の戦争に対するイメージの違いに観ていて第二次世界大戦の時の日本のマスコミで嘘情報を流す日本の姿が重なった。戦争の阿保らしさを直接的に人間が殺されたりするような悲惨さを描くのではなく、軽快な音楽に乗せて戦争を皮肉る演出は本当に秀逸な作品だと感じた。
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