スタンド・バイ・ミーのレビュー・感想・評価
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ほろ苦い大人の入口
中学進学を控えた最後の夏休み、4人の少年達が死体を探す冒険に出る物語です。
特に思い入れのある映画ではありませんでした。少年達がただふざけ合ったり、喧嘩したりしながら、夏休みの思い出を作る話程度にしか思っていませんでした。しかし、今日改めて観て、この作品が名作と言われる理由がわかった気がします。
これから大人になっていこうとする12歳。この時期にしか感じる事の出来ない喜怒哀楽が詰まった映画だと思いました。小学校を卒業し中学へ進み、少しずつ世界が複雑に広がっていく時期。自分の能力とか、家の事情とか、世の中の事とか、様々な事が見え始め、わかってくるこの時期に仲間達と過ごす時間がかけがえのないものである事に改めて気付かされます。
特にクリスの言葉にはそういった感情が滲み出ています。
ミルク代泥棒の真相を語る場面。信頼していた教師の裏切り、そして真実を話したとしても‘家柄’のせいで誰にも信じてもらえないであろう事を涙ながらに語るクリス。リーダー的な存在で、しっかりした強い少年に見えた彼が実はこんなにも傷付いていた事に胸が締め付けられそうでした。
親友のゴーディに‘君は進学コースへ進んで作家になるんだ’と言い聞かせる場面も印象的です。12歳という子供ではあるけれど、家庭環境とか周囲の見る目の違いをきちんと理解しており、自分とゴーディの間に引かれた見えない‘線’を認識している。だけど、親友である事に変わりは無く、ゴーディの才能を認め力強く背中を押す優しさや強さが胸に沁みます。
死体を見つけて有名になりたい!初めはそんな動機だったかもしれないけど、旅を通して心の重荷を打ち明けていくうちに、それはただの死体ではなく、何かの証みたいな物に変わっていったのかもしれない。銃を握って年上の不良達に向かっていくゴーディやクリスの目を見るとそんな事が伝わってきます。
‘付き合う友人はその後変わっていったけど、12歳の時の親友以上の友人に自分は出会っていない’と語るゴーディの言葉もそうだよなと思えますし、ラストで流れるStand by Meの歌も何とも言えない気持ちにさせてくれます。
名作・・
言わずと知れた不朽の名作。少年から大人になる過程、友情、たわいの無い会話、煙をはく機関車、小さな町の昔のアメリカの風景。それが良い。SNSだけで友人と繋がっている今の子供には理解出来ない映画かも知れない。たばこを吸いながらふざけ合ってる少年たち。二泊の旅が大きな出来事で、確実に大人になっていく。自分の昔の友人や出来事を思い出した。
誰もが通る大人への道。母妻にも観て🍀
観る人側の気持ちで、色んな感情が湧きそう。女性が観てこの冒険物語をどう感じるだろうか。男の子を持つマザーに、少年の心を持つ男の妻に、観てもらい気持ちのカケラを感じて欲しい。
唯一無二の友
この映画を見ると、死体なんて探しに行った事ないしタバコも吸った事ないし銃も持った事ないしヒルに噛まれたこともないのに、とても親しみを感じ、懐かしく暖かい気持ちになる不思議。
4人の生い立ち、荒れた家庭などを見ると、恵まれて幸福だとは言い難い。けど、その時行動を共にし、バカをして、腹を割って打ち解けた友がいて、それはたとえ今継続していなくとも、人生の中でのそんな経験はとても自身を豊かにさせるものだろう。その存在を思い出すきっかけが死別だったのは切ない事だが…
スタンド・バイ・ミー
片田舎の少年四人の、
一夏の冒険。
それは、
汽車に轢かれて死んだと噂された
同世代の少年の死体を探す
小さな旅だった。
主人公ゴードンはスティーヴン・キング本人がモデルの作家志望の小柄な少年。
リーダー格のクリス、危険なことが大好きなテディ、どんくさいバーンの四人組はいつも一緒の仲間たち。
ですが、旅の中でそれぞれお互いに夢や進学の悩みを漏らし、この楽しい少年期の終わりを予感させます。
原作小説も傑作です。
この作品が心に響いたなら、当時のヒットソングばかりを集めた映画サントラを流しつつ、夜長に読み耽るのもよいでしょう。
イニシエーション。
町が世界のすべてだった少年も、実は町だけが世界ではないことを知る日が来る。
それでも、それだからこその、その時の記憶。
「お前が死ねばよかったんだ」と父に言われる夢を見る少年。
家族からも、学校でも、社会からも不条理な扱いを受ける少年。
敬愛する父から、一つ間違えば死に至る暴力を受ける少年。敬愛する父への世間の評価も彼を苦しめる。
自分が埋めたへそくりの場所がわからなくなってしまう少年ーちょっととろい彼は、世間や家族からどんな仕打ちを受けているのだろうー。
今の時代なら、自死リスク高位者として、教職員や社会からケアの対象者として認定されてもおかしくはない子ども達。
クリスがゴディに言う。「俺らとつるんでいないで…」自分たちはクラスカースト下位層仲間という認識?
たとえ、おもしろおかしく遊んでいるように見えても、無意識の底では自分の存在の否定≒死が身近な存在。
家族環境・経済的なバックボーン・学力が違いつつも、何かが響きあうから一緒にいる仲間・居場所。
死体を発見しに行く冒険。
もっと違う冒険もあろうに。
死体を見つけることでしか、”有名”になれない町・彼ら。
人口1,000人強の小さな町。
それがすべてだったあの頃。
一泊二日の旅。
他のレビューを拝見すると”小さな”エピソードと書かれているのものも多いが、”小さな”エピソードなのか?
家で遊ぶことが多かった私にとっては、”死”を予感させられるような出来事の連続。
後ろから迫ってくる汽車。
徘徊する狼?
突然深くなる沼。へばりつき血を吸うヒル。
”絶対的”なる存在=死との対峙。
そして、年上の不良集団との対決。
喧嘩しながらも、守り、守られ、可能性を信じあい、自分たちの力だけで乗り越えていく。
往路での彼らの関係性の様子と、復路での彼らの関係性の様子が違うところが、この映画ならでは(横一列、縦一列、二列…)。
みんな仲良し「めでたし、めでたし」ではない。
ゴディ、クリス、テディ、バーンに与えたそれぞれのインパクト。それぞれの想い。それぞれの未来。
心の中の忘れえぬ友。
世間からは馬鹿にされても、ただ一人でも、自分を解って応援してくれる君が(僕の心の)側にいてくれれば、生きていける。
いつか再会し、あの時の思い出を語り合い、心を分かち合えると信じていた友。
君以外には誰にも語りたくない自分だけの宝物。
でも、彼の死によって、
そんな輝くようなきらめきを放つ存在が、確かにいたのだと。
永遠に刻印せずにはいられなくなる。
坊やから少年に変わった日々を描いた映画。
彼らのような経験がなくとも、
彼らのような友達がなくとも、
なぜか、12歳のあの頃の通学路や公園・校庭の風景・風の匂いが思い出され、切なくなる。
クリスとゴディのように、君にだけ語りたいと思わせてくれた、けれど、亡くなってしまった友を思い出して、むせび泣いてしまう。
早世した少年を悼み、
関わりのある少年・少女を想い、ひそかに応援したくなる。
そして、皆が言っているけれど、リヴァー氏。哀悼を捧げます。
大人の目線で見返した
青春映画の傑作だと理解しているのですが、中年のおっさんが見返した時、子供目線よりも大人の目線で見てしまいました。つまり、つらい思いをさせてしまっている子供に対して、大人の接し方、育て方が悪いように思ってしまいました。主人公は、とても優秀な兄と比較され、父親から愛されていると感じないこと、親友のクリスは家庭環境の悪さから教師から裏切り行為を受けたことに、それぞれ、つらい思いをしている。自分が大人の立場だったら、この子たちを立派な大人に育てるためにはどうすればいいのか、寄り添って考えなければいけないなと強く感じました。
余談ですが、クリス訳のリヴァー・フェニックスがとても格好よく感じ、「旅立ちの時」を見る予定です。
本当に大切な友達というものに気付かされた
スティーブン・キングさん原作の映像化された映画を今まで何本か見てきましたが、やはりどれも素晴らしい。今作は少年時代の男子気持ちを蘇らせてくれるような内容になっていって、男子なら誰でも経験したことのあるような、会話だったり、こんなことしたかったなどの憧れのあるシーンもあり、とても魅了された。
普段バカでアホな友達でも、困った時には支え合い、励まし合う、そんな友達って実はもう出会えないのかもしれない。友達は出来ても、あの時に出会えたような友達は二度と出来ないのかもしれない、だからずっとそばにいて欲しいと思えた。本当の友情が芽生えたと思ったら、自分からそばにいて、大切にしたい、いつまでも。こんなにも素晴らしい友情映画でした、ラストの終わり方もとてもオシャレでしたね
言わずと知れた超名作…。が、全く響かない。それどころか寝落ちしまう...
言わずと知れた超名作…。が、全く響かない。それどころか寝落ちしまう失態。感受性がぶっ壊れているのだろうか?原作は、かのスティーヴン・キング。大好きな映画「シャイニング」の原作者でもあるが、脚本が大きく変わっているし…。キューブリックが最高なんだな
【”1959年の暑い夏、僕らは“死体“を見るために、旅に出た・・” 様々な葛藤を抱えた、男子小学生4人組が”成長する過程”を描いた作品。】
ー 内容は、これだけの名作であるので割愛。久しぶりに鑑賞した感想のみ、簡潔に記す。
■感想
1.作品構成の妙
・物語は、少年たちが様々な事を経験し、成長していく姿を描いているが、実際には大人になって、作家として身を立てているゴーディの視点で描かれている事。
随所で、効果的に挿入される作家ゴーディの少年時代を懐かしむような、ナレーション。
2.4人の少年たちが抱える葛藤と、キャラ立ちの良さ
・ゴーディは、事故で4カ月前に死んでしまった優しき兄デニーの事が忘れられず、常にデニーと比較する、”父は自分を愛していない・・”と言う想いに囚われている・・。
・クリス(リヴァー・フェニックス)は、家庭に問題を抱えている。
が、聡明なクリスはゴーディに対し、”君の父さんは分かっていない・・。俺たちと一緒では、君の才能が枯渇してしまう・・”と励ます。
・大きな眼鏡が印象的なテディは、戦争によるPTSDに苦しむ父から虐待を受けながらも、只管に父を愛する。
・太っちょ、バーンは少し弱虫ないじられ役。4人の中では凡庸だが、一番真面な少年なのかもしれない・・。
3.名シーンの数々
・鉄橋を渡る4人の後ろから、汽車が迫って来る、余りに有名なシーン。
・焚火を囲んでのキャンプシーン。粋がって煙草を吸い、ゴーディの語る”ピザ大食いの話”に聞き入るシーン。
ー”ピザ大食いの話”も、大人の愚かさを暗喩している・・。ー
・近道をしようと、線路を外れるが森の中の湿地帯で、蛭に血を吸われるシーン。
卒倒する、ゴーディ。
・死体を見つけた彼らの所に、車でやってきたエース(キーファー・サザーランド)達。ナイフを持って、”死体を渡せ”とクリスに迫る彼に、物おじせずに銃で威嚇するゴーディ。
ーここでの、エースの姿は”愚かしき大人になりつつある青年の典型として描かれている。-
◆”たった2日の旅で、町が小さく見える・・”
そして、大人になったゴーディが、パソコンでこの物語の最終章をキーで打つシーンと画面に映し出される言葉。
”あの、12歳の時のような友達は、もう出来ない・・。”
<小学生から、大人へ一歩足を踏み出す少年たちの姿が眩しい。
そして、大人になって思い出す、もう戻れない、少年時代への郷愁を見事に描いた作品でもある。>
改めて自分を見つめ直すきっかけになる作品
昔の名作という事もあり、気軽な気持ちで観たけれど、想像以上に良かった。
最初に少年達がタバコを吸うシーンがあり、やはり昔の映画だなと思った一方で、子供ならではの純粋な気持ちや考えが上手に描かれており、今の映画に引けをとらない良作だと思った。
一人一人が色々なバックグラウンドがあり、生きにくい環境にある中で、それでも自身の想いを必死に貫き通そうとする。そして、お互いに戦友とも言える友がいる。辛くて苦しいのは分かるが、それでもこの少年達を羨ましいと思わずにはいられない。
大人の自分が改めて自分の学生時代を振り返り、今を見つめ直すきっかけになった作品。
わたしのことを誰も知らない土地へ行きたい
なんびゃくも映画レビューを書いていると、たとえば昔かいたやつを読み返したときに、こんなこと書いたっけとか、ぜんぜん映画読み違えているぞとか、いまはそんな風に感じないなあとか、いいかげんなことかいてやがるなあとか──をかんじることがある。
人さまのことは知らないが、わたしのばあい、水も漏らさぬ一貫性において映画レビューをやってる──わけじゃない。
感想は、時間とともに変化したり、気分によって変化したり、好悪によって変化する。
気分屋じゃない──としても、幼少期や若い頃に見た映画を、何十年も経ってから再度見たとき、まったくおなじ感想ってことは、ふつうはないもんだ。
それを書いているときは、正直で誠実で本意だが、コンピュータじゃないから、全体を俯瞰してみたら、なんらかの齟齬はあるだろう。
まったくのところ、にんげんというやつは、基本的にじぶんのことがだいすきである。
それはティーンであろうと、はたちであろうと、壮年だろうと、おじさんおばさんだろうと、あなた/わたしも、やっぱ、じぶんのことがだいすきであろうかと思う。
じぶんだいすきなやつが、じぶんの主観において、ひとさまがつくった映画を、ああでもないとか、こうでもないとか、あれがいかん、これがいかんとか、言ってるわけである。
わたしがよく取りざたする映画のだいきらいな要素に承認欲求ってやつがあるんだが、とはいえ、だいたいにおいて映画レビューなんか書いたりするやつってのは、承認欲求のかたまり──とみていい。
まったくのところ、映画レビューサイトなんてものは、大ブーメラン大会会場と言っていいんじゃなかろうか。
それはともかく。
スタンドバイミーは若いころと、大人になってからと、年をくってから、それぞれ、印象がことなる映画だと思う。
若いころ──クリスやゴーディとそんなに大差ない年齢で見たときはソフトな印象しか残らなかった。
あるていど大人になってしまうと、この映画のさいだいの命題はリバーフェニックスのセリフ「I just wish I could go to some place where nobody knows me. 」になる。
クリスはとても大人なキャラクターで、すでに社会と家柄と自分との関係性に、すさまじい疲弊を感じていた。
わたしは若いころも、大人になってからも、年をくってからも「わたしのことを誰も知らない土地へ行きたい」と思い、ときどきはじっさいにそうした。
だが、そうしても、しがらみから解き放たれて、いさぎよく生きられるわけじゃない。なんかがわたしを追いかけてくる。その追憶が貯まれば貯まるほど、この映画は泣けてくる。
もはやあの曲が流れると涙が出てくるパブロフの犬状態なのですが…年を...
もはやあの曲が流れると涙が出てくるパブロフの犬状態なのですが…年をとるほど深く刺さるよね。少年たちの友情も冒険もかけがえのない尊いもの。
好奇心
好奇心旺盛な頃、恐いものなんて何にもないよね。
徐々に現実を知り恐いものだらけになってしまうのだけれどね。
私は現実を知り恐くなったのは『ヒル』
小学生の頃ヒルにヤラれました💧
今回、画面越しですがゾッとしました(>_<)
恐い思い出がよみがえった💦💦💦
男の子って楽しそうだよね、いつも(笑)
王道ですが、音楽がとてもグッときます👍
そして幼い頃の記憶は全て美しく見えますね(*^^*)
あの後、仕返しされなかったか、ちょっと心配デス💦
遠い記憶
きっと誰でも、記憶のかなたに、幼い頃の冒険がある。映画のように大きな出来事ではないにしろ、子供なりにワクワクドキドキする記憶。今考えてみると大したことでもないが、当時は心臓が張り裂けそうだった。そこには、親友や名前も忘れてしまった幼友達がいた。育った町を離れてしまって久しいが、彼らは今どうしているんだろう。そんな懐かしい思いが湧いてくる映画だった。
切ない少年時代
まだ社会人になりたての頃、観たきりで数十年を経て再度VODで鑑賞。
当時に感じられなかった感情がふつふつと出てきて「歳をとったなぁ」いい言い方をすれば「年輪を重ねたのかなぁ」って感じです。(熱い地域の樹木のごとく、さほど大した年輪ではないんですけどね)
古きアメリカの時代なので、自分自身の少年時代とは重ねることはできないのですが、なんだか少年のころはよかったなぁ、なんて懐かしく思ってしまいます。
「たった2日の旅だったが、町が小さく違って見えた」
本当に少年たちがこの2日間で少し大人になった感覚、うまく言えませんが自分でもこんな気持ちになったこと、そんな経験があったような、なかったような…
ハッピーエンドでも特にバッドエンドでもないのですがとても心にしみる名作だと思います。自分もそうですが若いころに観た方はいいお歳になられてから再度観るとまた違った感慨、ノスタルジックな感覚を得られるかと思います。
井上陽水さんの『少年時代』のごとく。
♬な~つがす~ぎ~かぜあざみ だれのあこがれに さまよう~♬
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