「I want you♥️ 傑作!」スターシップ・トゥルーパーズ アンドロイド爺さん♥️さんの映画レビュー(感想・評価)
I want you♥️ 傑作!
原作は高学生の頃、友達に進められて読んだが、その頃は『日本沈没』や『宇宙戦艦ヤマト』が流行っていて、そちらの影響ではっきり覚えていない。もっとも、アーサー・C・クラークやスタニスワフ・レム等の哲学系のファンタジー作品が好きで、こう言った好戦的な、作品は余り好みではなかったが。勿論、当時の話。
「爆撃のあと、俺たちが地上で迫撃で一掃する」
つまり
ベトナムでの戦い。
「北爆のあと、俺たちが村を焼き尽くす」
となる。
これはヨーロッパやアメリカが過去に繰り返してきた、色々な戦争でのナショナリズムと個人主義の損失を表していると感じる。
なんとなく、作られた軍隊のマークもナチス・ドイツの紋章のようだ。
「全ての発端は人類の侵略から始まったと言う見方もあり、戦争よりも共存を図るべきだと言う人々も大勢います」
と言うマスコミの放送があるが
「寝ぼけた事を言うな!ブエノスアイレスの恨みを晴らしてゆる」とリコがカメラに怒りをぶちまける。
日本人には分からないヨーロッパ系の人達のナショナリズムの高揚である。
相手が「虫」だけど、かつての戦争でヨーロッパ系の人々は「黄色いお猿さん」と言って戦いを激化させている。
もっとも、同じ民族同士でも「ナチス・ドイツ」として、実質敵国に仕立て、戦いの正当性を作り、さらなる激化を促し、操られた兵士は正々堂々と「オマハ・ビーチ」の様な激戦を繰り替えるのだ。
これは『プライベート・ライアン』の『オマハ・ビーチの戦い』の悲惨さを彷彿されられる。
『この戦いに勝てたのは新兵器では無い。歩兵連隊の勇気ある戦いのおかげだ』と最後にこの映画では唱える。
アドレナリンどくどく!
日本人には考えられない。しかし、アメリカはテト攻勢には負け、この数年後にニューヨークまで侵略されて何人もの民間の犠牲者が生まれる。
犠牲者の冥福を祈る。
この映画は正直にあからさまにアナクロっているのが最高に良い。
鑑賞は5回目位。虫だからグロくない。
オランダ系の演出家ゆえ、ナチス・ドイツに対する違和感とその当時と連合軍の行動にこの映画の発端があるような気がする。彼の生誕地であるハーグ近くのヘントへ『ヘントの祭壇画』ヤン・ファン・エイク作を見に行った。2025年1月19日位かなぁ。