劇場公開日 1978年6月30日

「拍手喝采だった」スター・ウォーズ ONIさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0拍手喝采だった

2025年5月5日
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鑑賞方法:映画館

きょうはスターウォーズの日らしい。偶然いける、席とれた、となってTOHOシネマズ日比谷にて人生第回顧展みたいなGWいよいよスターウォーズ。

スターウォーズが素晴らしいのは「4」から始まってるからなので、マジで1〜3が作られた時はエッと思ったのだけど、どんなシリーズも「3」とか「後編」とかは本当に風呂敷を閉じるのでつまらなくなる。そのためこの「4」で始まってとりあえず終わる(描かれるのは基本的に姫の救出と敵の新兵器の破壊)なのがいい。そしてSFのアクション活劇を見せましょう、というのが本当に画期的だったのでは、と思う。この1作でルーカスが打ち立てたプロダクションデザイン力は本当に凄い。

『2001年宇宙の旅』と『猿の惑星』が1968年で、それからざっくり10年後1977年、78年に『スターウォーズ』『未知との遭遇』『スーパーマン』。日本はその頃「ウルトラマンレオ」も「仮面ライダーストロンガー」も終わり、『宇宙戦艦ヤマト』と『銀河鉄道999』のSFアニメブームでもあった。今見たら誰もその凄さがわからないのではないかと思うくらい『スターウォーズ』以前・以降ではSF映画のルックは極端に変わった。

汚れた戦闘機に汚れたロボットもそうだけど、久々に見てもやっぱりこれはアメリカンニューシネマからの脱却というか、新世代による古典派冒険活劇復活をSFという衣でやっている凄さで、見たいものにできない技術はすべて作ってしまっている点にある。ちょっと前の『サイレントランニング』に比べても、このアクションシークエンスの連続は凄まじい。これはカーレーサーを夢見ていたルーカスの趣向性も相まってだろうけれど、ワイプでの場面転換やあの辺りの音楽含めて、黒沢時代劇の感じだし、その他も西部劇、戦争映画(戦闘機シークエンス)や騎士道映画や海賊映画や、それらの活劇のいいところを全部ぶち込んで、冒頭のオープニングも「フラッシュゴードン」「大平原」のアレを使う、というやり方もなんだか庵野秀明がエヴァンゲリオンで市川崑デザインを盗んで、というかオマージュしてるのととても似ている。要はオタクの夢、みたいものを作っちまえ、というところで、以降の『スターウォーズ』が基本自主制作なのも、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』が自主制作なのも似ている。

そんなのを感じながら見ていたけど、やっぱりあらゆるシークエンスでの「活劇やるぞ」感が素晴らしい。エンドロールとともに拍手が沸き起こっていたけど、そうだよ、こんな危険な冒険活劇を作る冒険をやり遂げたルーカスに拍手しかない。涙すら出てきたよ。

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ONI