劇場公開日 1978年6月30日

「やっぱりこれですよ、これ」スター・ウォーズ pipiさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0やっぱりこれですよ、これ

2023年5月31日
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今でこそ「ありふれた表現」ばかりに感じられるかもしれないが、それは大きな間違い。
スターウォーズに多大な影響を受けたクリエイター達が様々な媒体でその世界観を踏襲し、そして彼らの作品達に今度はスターウォーズを知らない世代のクリエイター達が影響を受け、更には次の世代達が、、、。
というわけで「現在の当たり前」のその大元はスターウォーズだった、というネタがどれだけ多い事か。
リアルタイム世代ならば一目でスターウォーズネタだとわかるが、そうでなければもはやネタやオマージュだとすら感じないほど一般化している事に時の流れを感じてしまう。

1977〜78年。世界中がスターウォーズの熱に巻き込まれた。
A long time ago in a galaxy far, far away....
のあとに続くオープニングクロール。
壮大なテーマ音楽。
巨大な宇宙戦艦やスターファイター(小型戦闘機)、光速の1.5倍という高速艇、我等がミレニアムファルコン。
ホログラフィックプロジェクションや戦闘機内ディスプレイに映し出される線画の3D映像。
中世の騎士物語をベースにしたヒロイックファンタシーやアメリカにとっての時代劇である西部劇などを、宇宙を舞台に再構築したような独特の世界観。
東洋思想を取り入れた「人間に本来備わるフォース」
そして男の子達を夢中にさせたライトセーバー。
(剣戟シーンがショボい?いやいや、当時はそんな事が気にならないほど「ライトセーバー」という映像アイデア自体が画期的だったのですよ!)

先にスタートレックのTVドラマがあったとは言え、スタトレはある程度SF嗜好の強いファンを惹きつけるにとどまった。
しかしながら、スターウォーズは老若男女・洋の東西を問わずあらゆる人々を魅了した。
鑑賞者を選ぶスペースオペラを誰もが楽しめる大衆娯楽として描ききったルーカスの手腕には感嘆を禁じ得ない。

本作が為しえた「偉大なる功績」については、あき240さん、Gustavさんが大変秀逸なレビューを上げておられるし、またリアルタイム世代の皆々様が当時の熱い想いを語っておられるので、それ以上何も言う事はない。

本作の戦闘機シーンは第1回アカデミー賞最優秀賞の「つばさ」(Wings 1928年)を相当研究したそうだが、それもそのはずこの作品は主演・助演俳優から監督、脚本家のすべてが第一次大戦時の本物の戦闘機乗りなのだ。
そんな彼らが「迫力ある航空機映像を」と苦心惨憺して作っているのだから凄いことだ。
スターウォーズまでの「すべての航空機映画の手本」と言えるだろうが、スターウォーズは完璧にそのポストに取って変わった事だろう。
スターウォーズ以降の作品は、明治時代の無声トーキーまで遡らずとも、スターウォーズを手本にすればよくなったのだ。

私にとってのスターウォーズは現在4〜6と呼ばれるもののみを指す。
(オビ=ワン・ケノービはアレックス・ギネスだけでいーんだよ。
別に「話の途中から始まってる」ってわけじゃないから。
どんな映画のストーリーだってその前日譚は描かれてないだけで、存在はするんだからね。)

今でも観るたびに、1978年の様々な思い出が甦る。
「あの時代に」「こんな映画を創り上げた事」は奇跡的偉業だ。

「新しい時代の始まりとなった映画」
本作はそんな素晴らしい存在のうちの1本であるのだ。

※ギリギリ1〜3は大人気のダース・ベイダー語りとして許せるとしても1〜6のクレジットはしないで欲しかったな。
キングスマン観る時に「世界観の時系列だから」って3から観る人いる?1〜2を知ってるからこその3なんじゃないの?
スターウォーズだって同じ事で、4〜6のダースベイダーとルークの関係を知っていればこその1〜3だと思う。
映画はやっぱり「放映年順」に観るに限る!と再認識するものである。

(※ただ、現在観られる映像はちょこちょこ修正が入っていて非常に違和感。どこかに当時のオリジナルは残っていないものか?現代の技術を一切排した当時のままの映像を再び観たいよう(涙))

pipi
pipiさんのコメント
2023年9月28日

アンディ・ロビンソンさん

貴重な情報ありがとうございます〜!
1997のDVDはフッテージ追加やら場面削除やら画質調整済みやらと思っていましたが初回限定新旧両版なるものが!!

LDも旧版ありましたねー!
そうか、残っていましたかー。デジタル化されていて良かった。
今となってはめちゃくちゃ貴重なソフトですね。
是非、次世代に残しましょう。
感謝致します!

pipi
アンディ・ロビンソンさんのコメント
2023年9月28日

EP4〜6は、EP1〜3制作の頃に「特別編」としてCG使って再編集・再公開されて、その後はそれが基準化されてしまいましたね。
オリジナルと申されているのはそれ以前の方の事でしょうか?
一時期、DVDのトリロジーBOXセットでだけ、新旧版の両方セットという形の初回限定ので購入しましたが。
手元にあるLDセットも旧版ですね。私も劇場鑑賞した旧版が好きなので観る時は、殆どそっちだけです。

アンディ・ロビンソン
2023年6月5日

ずっと後にライトセーバーが日本の黒澤明監督の映画の刀をイメージ、ダース・ベイダーは兜に着想を得たことを知りました。戦闘機がつばさの映画から研究したことを初めて知りました。
レビューをありがとうございました☆

美紅
2023年6月5日

こちらの映画が公開した当時は私はまだ幼くスクリーンで観ることができませんでした。あのオープニングの音楽、確かに壮大であり動く字幕にワクワクした気持ちを抑えきれないでいます。

美紅
2023年6月4日

未レビューですがスターウォーズはスピンオフまで観ている好きな作品です。

美紅
2023年6月4日

こんばんは☆pipiさん

美紅
LaLaさんのコメント
2023年6月1日

pipiさん

ステキなレビューをありがとうございます。
私もSW大好きなのでした。
シリーズ観ていますが、
全部はレビューできていなくて
でも、この第一作は 想い出もいっぱいです。
宇宙への関心も深まりました。
公開時も劇場で観ましたが
上京後も、記念上映があった際
劇場に行きました。
大きなスクリーンで観るのが最高ですね。
音楽も壮大で、
国際フォーラムでの
シネマコンサートも行きましたよ。
素晴らしかったです(´▽`)

LaLa
CBさんのコメント
2023年6月1日

(つい、調子に乗って長文に。1,000文字越えと怒られました。あな、恥ずかし)

でも、それらをちゃんとやったからこそ、中身は「宇宙活劇」とか「宇宙西部劇」とか揶揄を込めて言われることもあるこの作品に、俺たちはこれだけの衝撃を受けたんでしょうね。ああ、特撮、最高!!
(そして俺は宇宙西部劇もまた、大好き!)

ルーカス監督はその後CGのピクサー社を作り、ILM社も当たり前だがその後のCG時代も牽引し、イメージワークス、WETAデジタルと、社名を聞けば映画が浮かぶような、巨大CG制作会社が続々と生まれ、今日の俺たちは、また一段上の極上CG時代の映画を楽しめているんですよね。ルーカス監督、ほんとに、ありがとう。
そしてpipiさん、ちょっと駆け足で振り返ってみる機会を得られたのはコメントのおかげです。ありがとうございます!!

おまけ
ミニチュア撮影、モーションコントロール部門は今でもILM社アナログ部門として大活躍中。嬉しいね。

CB
CBさんのコメント
2023年6月1日

> 当時のスターウォーズに当然のようにCGが使われていたと思ってしまう若い方々

ジョージルーカスの何が偉大かって、「スターウォーズ」作るために、IL&M社作ったことだと俺は勝手に思ってるくらいですからね〜。インダストリアル・ライト&マジック社、なんてワクワクする名前なんでしょうか。「工業的な光と魔術社」ですよ。特撮の中心が、まだまだ、光学的重ね合わせだった時代。
「え、一本の映画のために会社作っちゃうの!?」という驚きは、特撮のための会社の先駆けである円谷プロダクションに幼い頃から憧れを抱き続けた俺ですら、驚愕で、そして嬉しかったですからね。

スターウォーズの頃1989年に、3次元CGを描けたのはスーパーコンピューター。(当時の処理速度は1GFlopsだ。現在、PCに当たり前に入っているCPUインテル社i7の処理速度は80Gflops だ!!!そりゃ今じゃCG全盛になるわ。誰もが憧れた時代だ)

そんなことから考えても、pipi さんが言う通り、当時のCGはほとんどなかったはずですよね〜。おそらく、ミレニアムファルコンがワープする際の白く輝く光点の流れと、ライトセーバーの見事な軌跡くらいでしょうか。ああいった単色の光の魔術くらいはすでにコンピューターが生み出していたんでしょうね。(それでも大枚叩いて、でしょうけど)

それだけでも膨大なコンピュータリソースを要しただろう上に、その動きとミニチュアや人間の殺陣動作を寸分なく一致させる、モーションコントロールカメラを活用した光学的重ね合わせ!! そりゃあ、金もかかるし時間もかかるわ!

CB
CBさんのコメント
2023年5月31日

スターウォーズインパクトを的確に表現してくれるレビュー、ナイス!です。
当時18歳の俺の、目に、耳に、そして心に飛び込んで来たその衝撃は、45年経った今も、全く色褪せません!!

CB