「これ、めっちゃ面白いよ!!!!」スーパーマリオ 魔界帝国の女神 ガッキーさんの映画レビュー(感想・評価)
これ、めっちゃ面白いよ!!!!
2023年、コンピュータ・アニメーション映画の「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」が、全世界で歴代記録を塗り替える空前のメガヒットとなった。
日本でも、興行収入140億円という驚異的な大記録となった。
もはや説明不要の任天堂のゲームシリーズ『マリオシリーズ』だが、
はるか前に、なんと実写化作品が作られていたのをご存知だろうか。それが本作である。
結論から言うと、ザ・怪作といったところだろうか。
冒頭で謎なアニメが始まり、言葉を喋る恐竜が登場したと思ったら、巨大隕石が落下。
そして今度は実写に変わって現代のニューヨーク・ブルックリンになり、
なんと巨大な卵から人間の赤ん坊が生まれ、
それから20年後、物語がはじまる…という、
なんとこの冒頭5分の時点で滅茶苦茶な映画だということが否応なしに伝わる。
ところが、それ以降は、抜群としか言いようがないテンポの良さでぐんぐんストーリーが進んでいき、地下都市での大アドベンチャーが繰り広げられていく。
何が良いって、マリオブラザーズの描写がとても良かったですね。
配管工の設定を忠実にストーリーに活かし、兄弟のでこぼこコンビぶり、同時に人間味のあるキャラクターを兄弟愛たっぷりに描いていました。
特にマリオのキャラが最高です。
見た目はただのおじさんで、普段はガミガミと口うるさいが、いざという時は頼れる兄貴。
ルイージの親代わりという父性的な一面も。
もちろん、批判の声もわかります。
マリオ兄弟がなぜかブルックリンで貧乏生活という妙に現代的な設定、
ピーチは出ずにデイジーが出る、実写化するとここまで生々しくなるのかというヨッシー、ツッコミ所のオンパレード。
結果的には大コケするわ、マリオ役のボブ・ホスキンスからも酷評されるわで散々でした。
しかし、アクション、スペクタクル、カーチェイス、コメディ、ロマンス。
しっかりとエンタメの要素はバランス良く備わっており、いち映画として本当に面白かったです。
アニメ映画版の大ヒットに追随して、全米では話題が再燃し、かつての酷評からの再評価の流れが起きているのは嬉しい限りです。
怪作であり、珍作であり、おバカ映画ですが、こういうのでいいんだよ的な面白味が凝縮した、隠れた逸品だと思います。
なお、再販のブルーレイは、2種類の吹き替え版が収録されているのでお得です。
色眼鏡を外せば、めっちゃ面白い映画でした。そういう意味ではエメリッヒ監督版「GODZILLA」に通ずるものを感じました。
普通にゴールデンタイムのロードショーとかでやってほしい…と思ったがグロすぎて無理ですかね…