「アナログ感あふれる劇場で90年代インディーズを観る」シンプルメン バッハ。さんの映画レビュー(感想・評価)
アナログ感あふれる劇場で90年代インディーズを観る
大阪の第七藝術劇場で《ロング・アイランド・トリロジー》デジタルレストア版上映のひとつとして観た。この映画を最初に観たのはおそらく90年代の名画座で『トラスト・ミー』と同時上映だったように思うのだが、当時の薄暗い名画座で観たフィルム上映の間隔がまたたくまに蘇ってきた。90年代初頭に35㎜フィルムで撮られたこの映画。ただしかなり低予算のインディーズ作品であり、その決してなめらかとは言えないザラザラとした手触りがデジタルレストア版でもはっきりと残っており、そんな感覚が古ぼけた第七藝術劇場の雰囲気によって増幅されて、本当にタイムスリップしたのではないかと不安にすらなった。最新設備の劇場もいいが、こういうアナログ感あふれる映画体験がまだできるのかと改めて驚いた『シンプルメン』&第七藝術劇場の取り合わせ。作品は、こんなにセリフ多かったっけと思ったりもしたが、やはりなんとも言えない清々しさと切なさがあって最高でした。
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