「精神科医演ずる美しきイングリッド・バーグマンによる謎解きの見事さと彼女の凛とした佇まい」白い恐怖 Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)
精神科医演ずる美しきイングリッド・バーグマンによる謎解きの見事さと彼女の凛とした佇まい
バーグマンが、白衣姿、眼鏡顔、そして冷静な精神分析官と恋する乙女の両面を見せつけていて、魅せられてしまった。そして、殺人したと思い込み、記憶喪失でもあるグレゴリー・ペックが、白色に縞模様で恐怖感を抱く謎、彼の見る夢の意味が次第に明らかになっていくストーリー展開がお見事。原作もさることながら、アカデミー賞2回受賞のベン・ヘクト等による脚本が良いのだろう。そして、夜中に剃刀を持って階下へ向かう記憶喪失者の映像は、白色を見て、それは殺人現場のスキー場の象徴であるが、心を損なうことを、不協和音と共に知らしめる音楽も相まって、緊迫感を生み出す。さすが、ヒッチコックの演出が冴え渡る。
夢の謎を解き殺人の真犯人と対峙し、冷静に理性に働きかけるバーグマンの姿も格好いい。
バーグマンとヒッチコックが組んだ、見事な傑作だと思った。
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