シルクウッドのレビュー・感想・評価
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観終わってひどい脱力感になってしまった
学がない自分が難しい話を背伸びして観ました。原発も似た事例があるのでしょうが、大地震があったにも関わらず、何か闇のまま月日が流れていく今現在で共通していると思いました。
主人公は子供3人、レズ、彼氏と「え、そんなに色々あるの?」て自由奔放に思え、映画そのものは静かに進むのだけど、随分と好き勝手に遊んでるのね、という印象があったかな(タバコの多さも含めて) だから、いざ自分が放射能感知になって組合の活動に参加しても「気の毒」という面がピンと来ない。私の浅い考えではそんな印象でした。だけどメリル・ストリープは好きな女優さんでして、軽い映画とか少なく、上手く言えませんが「これぞ、女優」という雰囲気があって外見も含め好きなので、我慢してこの映画は観ました。実話の重みもあるしね。
映画を観る限りでは、こりゃもう陰謀隠しの他殺で間違いないでしょ。あ~ぁ今も昔も変わらないんだな...脱力感。
メリットや富がそんなに魅力的なのかい...素直に反省すりゃいいじゃん。戦後じゃないんだから今の時代食べるに困ることはないでしょ。一種の麻薬だよね、ごまかす上の人って。。。総合的に得策を選んでるのでしょうが、その場しのぎに思え平和を考えてのことか疑問だよ。何だか愚痴ってしまいました。お前に何がわかる?て言われそうだけど関係ない人のせいにしちゃ悪いことだよ。
凄い絶望感にもなってしまったけど、観る価値はあると思います。
話は全然違うけど、同じ真相追求型の実話として「ヴェロニカ・ゲリン」を思い出しました。
社会派を題材にした人間劇
AFI感動100に入っています。
当時のアメリカ人には有名な事件なので事前に事件の流れを調べてから観るべきでしょう。
彼女の行動の「企業や社会に与えた実効性」があいまいであり、更に未だに謎とされている「突然の交通事故死」という結果を知っている人間が観る前提で作られているので、社会派のサスペンスというよりは、彼女の私生活や心情の変化に重点が置かれています。
核燃料工場の疑惑事件
六価クロム公害と闘った「エリン・ブロコビッチ」の放射能版かと期待したが、不正暴露の道半ばで怪死したカレン・シルクウッドの生前の私生活を赤裸々に描いたある種レクイエムのような地味なヒューマンドラマだった。実話の様であるが謎は謎のままなので真相は分からない、もっとも製作に際してシルクウッドが働いていたKerr-McGee社から映画が事実に反していたら法的措置を辞さないと脅迫されていたと言うから断定的な脚色は避けざるを得なかったのだろう、内部被爆していたことは事実でカレンの父が民事訴訟を起こし事実上勝っている(130万弗での和解)。
彼女が証拠を渡そうとした記者はNYタイムズのデビッドバーナムで事故現場に駆け付けた時は友人が持っていたと証言するバインダーに挟んだ書類は無く血塗られたノートが車の外に捨てられていたと語っている、彼女の愛車、白いシビックの後部には明らかに追突された跡が残っていたのだが飲酒運転での事故死として処理されている。彼の一連の記事でカレン・シルクウッド事件は皆に知られることになった訳だ。単なる核燃料工場の劣悪な労働問題であれば連合組合も新聞も取り上げなかっただろう、問題は核燃料棒の被服溶接の検査データ偽装であり、もしパイプに亀裂があれば原発事故になりかねない重大問題であり事実が発覚すれば一企業の処分で済む話ではない、映画では労働者仲間の失業を巡る内輪もめを匂わせているが、もっと大きな利権を持つ輩、あるいは政府機関が陰で動いていたかもしれない・・。
マイク・ニコルズ監督の凄いところは市井の人を自然に描くことだろう、ドキュメントとは違ったリアリティが事件の裏側を想起させるのだからたいしたものです。とはいっても事件に関心のない人から見れば暗くて退屈な労働者ドラマと一蹴するかもしれませんね・・。
劇中のアメイジング・グレイス歌唱は脚色でしょうが片乳露出技は何だったのでしょう、メリル・ストリープ(35)さん熱演でした。
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