劇場公開日 2025年8月1日

「全世界の政治家、各国首脳陣に鑑賞をオススメします」ジョニーは戦場へ行った りあのさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5 全世界の政治家、各国首脳陣に鑑賞をオススメします

2025年8月12日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

知的

第1次世界大戦中にヨーロッパ戦線へ出征したアメリカ人兵士ジョーは、爆弾を受けて目、鼻、口、耳を失い、運び込まれた病院で両腕と両脚も切断されてしまった。脳は死んでいると思われてたジョーだが、首と頭はわずかに動き、皮膚感覚は残っていて、脳は無事だった。そんなジョーは、鎮痛剤を打たれ意識が朦朧とするなか、出征前に最愛の恋人カリーンと過ごした夜の事、釣り好きだった父との日々を回想しながら、自分の希望をモールス信号を使って周りに伝えるが・・・さてどうなる、という話。

1971年公開だから、50年以上前の作品だけど、今みても全く古さは感じない、全世界の各国首脳にみてもらいたい作品だと思った。
戦争でほぼすべての身体機能を失った青年兵士の視点から、戦争の非人間性を描いていて、引き込まれた。
戦争は負けたら当然悲劇だが、勝っても死者や負傷者は出るわけで、死ねなかった青年が、自分の希望を伝えるのだが、聞き入れてもらえず、医者の実験台にされていく悲劇を伝えているのだろう。
この作品の中で言ってたが、戦争は科学者の能力を試すだったか技術を向上させるだったか定かじゃないが、とにかくお金を使って自分の希望を叶えていく格好の場であった事も否めたいのだろう。
原題を直訳すると、ジョニーは銃を得た、であり、第一次世界大戦の志願兵募集時の、Jonny Get your gun(ジョニーよ銃を取れ)への皮肉らしい。そんな深い意味を込めた所も素晴らしいと思った。なので、戦場に行ったのはジョーであり、ジョニーではありません。
それはさておき、反戦作品というだけじゃなく、いろんなことを考えさせられる名作だなぁ、と思った。

りあの