「湧き出る泉は神の返事なのか」処女の泉 mittyさんの映画レビュー(感想・評価)
湧き出る泉は神の返事なのか
クリックして本文を読む
時は16世紀、スウェーデンの田舎町で起きた悲劇。
前情報何もなしに観たら、かなり重いテーマで残酷な結末にあっけに取られてしまいました。
1960年に製作されたことを考慮すると、ずいぶん、物議を醸したと思います。羊飼いのカーリンへの性的暴力のシーンが特に辛かったです。その後、すぐに殺害されてしまうなんて。スウェーデンの風景がのどかで美しさと鮮血(殺人)が妙に溶け込んで気持ちがざわざわしました。しかも、陵辱されたのち、カーリンは一度、立ち上がってふらつきながら歩きます。この時の放心状態の彼女の様子がすごく恐ろしかったです。演技的に最高でした。
父テーレが羊飼い兄弟に復讐する前の身体を清める入浴シーン、大地に生える木を揺らす光景が、テーレの「怒り」が極限に達する様子を表していたのだと(あとで)思いました。
テーレが最後に神に向かって叫び、娘が亡くなった場所に教会を建てることを誓いますが、その場所から、泉が流れ出てきたのは、神の返事と考えて良いのか?
昔、僧侶が法話で「小さなヨットにたくさんの人が乗っていて溺れてみんな死んでしまいそう。仏さまはその中の誰を助けるか?」というような話をしていました。答えは「仏さまのすぐそばにいる人」(つまり、これは平等を意味するらしい) 宗教的に考えると、この映画で起こった悲劇を考えると、悪行自体も平等にばらまかれた神のわざなのか?と思ったりしました。
コメントする