「【”それでも、神は沈黙する。”娘を人間の悪意で失った父の復讐を通し、神の信仰について考えさせられる、残酷で不条理な物語。】」処女の泉 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”それでも、神は沈黙する。”娘を人間の悪意で失った父の復讐を通し、神の信仰について考えさせられる、残酷で不条理な物語。】
■中世のスウェーデン。豪農のテーレと妻・メレータ、そして1人娘のカーリンは経験なキリスト教徒だった。ある日、カーリンは教会へ向かう途中、森の中で貧しい羊飼いの3兄弟に出会う。疑うことを知らないカーリンは、彼らに食事を振る舞うが逆に凌辱され殺される。
◆感想
・神とは、基本的に人間の善悪の行いに対し、”目に見えた罰”を与えない。
・今作で言えば、1人娘のカーリンを態々綺麗な服装で一人で教会へ行かせる甘い豪農のテーレと妻・メレータの行いも”目に見えない罰”を与える事になる原因であろう。
・一人身籠るインゲリへの豪農のテーレの人々の接し方も、”目に見えない罰”を与える事になる原因の一つであろう
ー 故に、インゲリはカーリンに恨みを持った目をしながらついて行く。彼女の不幸を願うように。そして、インゲリが願った事が起こり、彼女は全てを目撃した後に逃げ帰るのである。-
・勿論、貧しい羊飼いの3兄弟を殺した豪農のテーレの行いも許されるものではない。
・又、貧しい羊飼いの3兄弟の行いも、言語同断である。
<今作は、イングマール・ベルイマン監督が描く、神の信仰について考えさせられる作品なのである。>
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