「見えない恐怖」ジョーズ 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)
見えない恐怖
久々の鑑賞
鑑賞回数数回
監督は『激突!』『ジョーズ』『E.T.』『ジュラシック・パーク』『シンドラーのリスト』『プライベート・ライアン』『マイノリティ・リポート』『ターミナル』『ウエスト・サイド・ストーリー(2021年)』のスティーブン・スピルバーグ
脚本は原作のピーター・ベンチリー
脚本は他に『ジョーズ2』のカール・ゴットリーブ
鮫によるパニック映画の金字塔
舞台はアメリカの平和で長閑な島アミティ
夕暮れ時の近海に鮫が現れ遊泳中の若い女性を食い殺した
海水浴客が島の経済を支えている手前地元の政治家たちは鮫ではなく漁船のスクリューに巻き込まれた事故と断定した
しかし海水浴で2人目の犠牲者が出てしまいはっきりとそれは鮫だと断定された
賞金稼ぎで全米から人が集まり島は大盛況
おかげでイタチザメが捕獲され地元は一安心だが学者の見立ては違った
アミティアイランドを騒がせた人喰い鮫はもっと大物でこいつじゃないと
再び海開きをするなかでさらなる犠牲者を出してしまい呆然とする市長
サメロボットが塩水と相性が悪く度々故障するので撮影でなかなか使うことができない
だからサメを出さない演出に切り替えた
それが幸いした
B級パニック映画になったかもしれないサメ映画がスピルバーグ監督の機転を利かせた演出で傑作になった
鮫の頭が登場するのは本編開始1時間後
鮫ロボットの塩水対策が試行錯誤の末に万全な形になったのだろう
それまでもたせたスピルバーグ監督の手腕がお見事
鮫目線の海中撮影と無名俳優たちのリアクションが良い
そしてジョーズのテーマがとても効果的で映画音楽トップクラスと言っても過言でない
相次ぐ犠牲者に業を煮やした署長は船長と学者と共に漁船に乗り込み鮫退治に出発
強敵は8メートル3トンはあるであろう化け物のような巨大鮫
万策尽きかけ奥の手を決行
学者が檻の中に入りそれを海に沈め海中から猛毒の毒針で刺して毒殺しようという作戦
しかし鮫のパワーで檻を破られ学者は岩場の影に隠れピンチを凌ぐ
鮫に船を半分沈められ船上は斜めになり滑り台状態で滑り落ちていく船長
待ち受けていたのは巨大鮫の大きなお口
抵抗虚しく足から口の中に
腹を噛まれ血を吐く船長
哀れ船長は胸部から上を外に出しそのまま鮫と共に海に消えた
トラウマ必至の『ジョーズ』最大の名シーン
クイズ系やハプニング系のAVなら待ち受けているのは男優さんで罰なのかご褒美なのか悲劇なのか喜劇なのかよくわからないけどまあそれはいいや
船が殆ど沈みかけるなか署長は酸素ボンベを咥えた鮫に何度も何度もライフルで発砲
遂にボンベに命中し大爆発で鮫はめでたく死亡
あまりにも遅すぎる惜しまれぬ死だった
学者が合流し2人で樽を利用しバタ足で島に帰るラスト
なんか可愛い
この頃のハリウッド映画はエンドロールがとても短い
それで良い