劇場公開日 2022年6月17日

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「私は、何処に在りき?」ショーシャンクの空に 機動戦士・チャングムさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0私は、何処に在りき?

2024年4月15日
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鑑賞方法:DVD/BD

 確かに僕は いるけれど
 確かな僕は どこにいるんだろう
 僕は ここにいるけれど
 僕は どこにいるんだろう
         竹原ピストル 「おーい」

 日に追われ、時に追われて仕事や家の事してると、自分の所在が不明になりますね。今、ここで、くたばったら、人生の行旅死亡人になりそうとか…。
 結局のところ、映画観て何を思うかは、そのヒトのその日の気分で変幻。つまり映画はヒトの心の鏡だったりするわけですね。
 家のこと、仕事のこと、私の思いとは裏腹に進行するものです。いっそのこと、他者が決めた日課を、囚人が如くやってのけた方が、気楽なのかしらと…。
 そんな気分でこの映画観て驚いたのは、原作がスティーブン・キングだったこと。「スタンド・バイ・ミー」は、ともかく、ヤバい映画の原作請負人が、こんなお話書くなんて。
 名作の誉れ高い本作を、私が評価したところで、何も変わりません。ここは、個人的感想を。
 気がかりなのはムショの所長さん。あんなことまでして、何を守ろうとしたの?。何を得ようとしたの?。
 映画に出てくる悪人って、悪いヒトと云うより、弱いヒトが多い。だから、強い心を持つ主人公に恐怖する。その恐怖が大きいほど、より大きな権力や暴力を用意して、強きヒトと対峙する。その姿は、残虐でもあり、哀れでもあり、滑稽でもある…。あ、そうか、この映画の主人公を、所長さんにして観ると、いつものキング節爆裂の、ヤバい映画になりそう。
 私は、しがない役人です。仕事上、周りに弱音は吐けません。それでも、頑張りました。できることは、何でもしました。なのに、今、目の前のドアが、恐怖で、鳴り響いています。神様、私は何に裁かれようとしているのでしょうか。私は、ただ…。

 所長さんが、最期に見た夢は何だったの?。

 嗚呼、やっぱり怖い話。不条理な世界で生き抜く知恵と勇気と、優しさ、誰か教えて。
 考えようによっては、この世界そのものが、監獄みたいなもの。その中で、私達はどんな役割を演じているのかしら。願わくば、所長さん役は、ちょっと…。

 私は、何処に在りき?。

機動戦士・チャングム