「長い長いお伽話」ショーシャンクの空に CBさんの映画レビュー(感想・評価)
長い長いお伽話
ようやく開いた映画館は、旧作を一律1,100円で観せてくれるという感激のサービス!
(まあ、20 代の頃は、500円未満で3本立てといった名画座が多数あったものですが、それを今の、はるかに見やすくなった劇場で味わっている感じ。楽しい〜)
キネ旬90年代外国映画ベスト9だけのことはありました!
長編のお伽話でした。終身刑の何十年を、観客の我々も味わっているかのような時間。そこにあるのは、終末までの、長く緩慢な時間。たとえ50年たって出られたとしても、外で待っているのは、(住む場所と仕事が与えられるとはいっても、不安に苛まれる毎日の繰り返しだけ。
-------ここから、ネタバレ入っちゃいました。これから観る方は、観てからお読みください
この作品は、終身刑という罰の、そうした苛酷さを描くために、逆にそこで起きた痛快なお伽話を描いて見せたのではないだろうか。
そのために、主人公に見舞われる暴力さえも、決してドラマチックに描くのではなく、淡々とごく短いシーンで描かれる。
一方で、中盤の特技を生かし、働き場所を得ていくシーンも、あれあれと言っている間に、上手くいく。
それは、クライマックスの、あっと驚く展開ですら。痛快な話なのだが、なんだか手放し手気持ちよくなれないのは、おそらく、そこが主題ではないからではないだろうか。
主演二人の淡々とした演技に、そう思わされているのかもしれないが、自分にとっては、そういう映画として、「いい映画だなあ」と思えたので、文句はないどころか、とてもよかったです!
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