「当時の中国、特に上海のノスタルジー」上海特急 ジョニーデブさんの映画レビュー(感想・評価)
当時の中国、特に上海のノスタルジー
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列車が北京を出発して狭い住宅地の中を走って行くと、線路上に牛がいて停止せざるをえなくなり、牛をどかせと牛の持ち主と口喧嘩となる。このシーンはまさかセットではないでしょう。たぶん中国のどこかでのロケと思われるが、その当時の中国の日常の一コマを垣間見られる貴重な歴史的記録でもある。
この映画は1932年の作品で、映画の舞台となった中国のいつ頃の話なのかはわからないが、2005年製作の「上海の伯爵夫人」が同じ頃の話で、時期的に近いので、二つの作品を見比べて見るのも面白い。こちらが中国国内の反政府軍との争いに巻き込まれたイギリス人、フランス人、ドイツ人の話なのに対し、「上海の伯爵夫人」では日本の侵略に巻き込まれたアメリカ人とロシア人の話という違いがある。
最後はハッピーエンドになったのはよかったが、彼女が本当は彼を助けるためにチャンに身売りしようとしたのだったと、彼が分からないまま終わってしまったのは、ちょっと納得がいかなかった。
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