劇場公開日 2025年6月20日

シャロウ・グレイブのレビュー・感想・評価

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4.0ダニー・ボイルの映画キャリアはここから始まった

2017年2月27日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

怖い

興奮

ダニー・ボイルの映画監督としてのキャリアは、スコットランドの最大都市グラスゴーを舞台にしたこのスタイリッシュな心理サスペンスで幕を開けた。冒頭、道路を疾走する映像からして既に画期的で、これが90年代初頭に撮られたとは思えない大胆さ。やがて3人の男女による新たなルームメイト探しは、「男の死体と残された現金」をめぐる攻防戦へと発展し、裏組織や警察なども巻き込みながら、それぞれが疑心暗鬼の螺旋階段へと陥っていく。
タイトルは「浅い墓穴」といった意味。本作では森の奥に掘られた穴や共同フラットの屋根裏などにまで視点を広げ、そのカメラワークは縦横無尽、かつ一向に留まるところを知らない。ボイル監督をはじめ、後に『トレインスポッティング』でその才気を爆発させるスタッフたちの「なにか爪痕を残したい」とする執念がビリビリと伝わって来る。ラストの顛末も含めて、ある意味『トレスポ』のプロトタイプとも言うべき創造性が充満した作品だ。

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牛津厚信

3.5【仲良くルームシェアで暮らしていた男女三人が思わぬ大金が手に入った事から、その関係性が微妙に狂って行く様を描いたシニカルサスペンスホラー。大金は人間を狂わせます・・。】

2025年6月16日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

難しい

■ルームシェアで暮らすアレックス(ユアン・マクレガー)、デヴィッド(クリストファー・エクルストン)、ジュリエット(ケリー・フォックス)の3人は、4人目の住人として、”作家”ヒューゴ(キース・アレン)を迎え入れる。
 だが、入居してすぐにヒューゴが自室で麻薬過剰摂取のために死亡している姿を見つける三人。
 彼の部屋に残されたのは、麻薬とスーツケース一杯の札束。3人はヒューゴを追って来た男達2人も殺し、遺体を森に埋め、大金を手にするが、関係性が徐々に変化して行く。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・ダニー・ボイル監督の長編第一作という事で、展開はやや粗いがテンポにスピード感がある。

・特に、殺しの実行をしたデヴィッドの変貌ぶりが凄い。二階に閉じこもり、アレックスとジュリエットの行動を監視する姿。明らかに精神に異常を来している。

・ジュリエットも二人に内緒で、航空券を一人分だけ予約している。この時点で3人の人間性は破綻しているのである。

<ラストの展開はシニカルである。デヴィッドはナイフでアレックスの肩を深々と刺すが、背後からジュリエットに刺殺される。ジュリエットがデヴィッドを助けると思ったら、彼女は更にナイフを深く突き立て、金の入ったトランクと共に車で逃走するのである。
 だが、彼女がトランクを開けると、そこには紙切れが詰まっており、大金はデヴィッドが床下に隠していたのである。
 今作は、仲良くルームシェアで暮らしていた男女三人が思わぬ大金が手に入った事から、その関係性が微妙に狂って行く様を描いたシニカルサスペンスホラーなのである。>

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NOBU

3.5リメイクしても面白いのでは?

2024年10月21日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

興奮

"スラムドッグ&ミリオネア"の監督のデビュー作だそうだ。30年前の映画なのだが固定電話とかPCを除き殆ど古さを感じさせない作品。スタートの映像と音楽が実に印象的な、90分に纏められたサスペンス。舞台になったグラスゴーには数日滞在したことがあるが、こんなに綺麗な街だっただろうか?編集がヒラクボなんとかさんという日本人だった。この脚本ならリメイクしても良いのではないか?

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Yohi

3.5大金が絡むと人間は狂ってしまう。 3人とも醜いので正直誰も応援でき...

2024年8月2日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

大金が絡むと人間は狂ってしまう。
3人とも醜いので正直誰も応援できないが、消去法で一番ましな男が生き残るということで、まずまずの終わり方だった。

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省二

4.0良作

2023年5月11日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

現代風にアレンジしても面白いとおもう。
当然だけど、ユアンさん若い!
ダニーボイル監督作品なんですね。
見応えありました。

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けはえ

3.0自殺?ヤク中?医者ならすぐ判断しろよ・・・

2023年3月20日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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kossy

2.5斜に構えたイギリスらしいもの

2021年6月6日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

難しい

トレインスポッティングを意識したのか、当時このノリの映画を好き好んでみる大学生向けの映画。人との違いを出したく観るのだか、観ても何も変わらないし、得るものはない、という青春時代を思い出した。

内容は頭に入らず。

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ho

2.0"ウィッカーマン"

2020年11月22日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

単純

興奮

映画監督デビューの本作からダニー・ボイルらしい「トレインスポッティング」に毛が生えたような演出描写と詰めが甘い物語展開。

偉そうな態度の三人組に最初から嫌な印象のまま、ユアン・マクレガーがうるさくてイライラするキャラ、話に巧く絡めていないギャングの半端さ加減、ミステリー的な心理描写も描けないダニー・ボイルの実力は今も昔も変わらずか!?

お金だけ隠しておいて通報すれば良かっただけの話、最後の大乱闘含めた雑な展開に興味も薄れてしまう。

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万年 東一

4.0デビュー作らしからぬ

2020年7月11日
PCから投稿

ケリーフォックスといえば初主演のエンジェルアットマイテーブルで既に大女優だった。この映画を見ると若い頃のアグレッシブな魅力がよくわかる。射るような碧眼をしている。威嚇してるわけじゃないのに威嚇できるキャットアイだと思った。また対人恐怖症のエンジェル~から鉄火女へ変幻してしまえるキャパシティの広さに改めて感心した。強欲に高笑いする一方で、やさしい母親の表情もできる。
鷹揚で朗らかでどことなくむっちりで、かつ、さらりと脱いじゃっているのもいい。男性というものは、あんがいセクシーな演出の為されているところで裸が出てきたって昂奮はおぼえない。ただし、予期もせず、ひけらかしもなく、もったいぶりもせず、さらりと映る裸にはグッとくる。これは日本映画にはぜったいにない演出でもある。

ダニーボイルといえばトレインスポッティングや28日/週後が有名だが、このデビュー作を見るとヒッチコッキアンなスタート地点がよくわかる。シーンの変わり目に構図をキメる感じ、なにかを秘匿している表情をとらえるカメラ、他者の行動を俯瞰するくだり等シャブロルよりずっとヒッチコックを思わせた。また、おそらく女性にとってはこの映画のユアンマクレガーはおよそ22か23なゆえに端正さには無類の輝きがある。とりわけケツ顎って言い方がよくわかるぷっくり感だった。

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津次郎
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