「ブラックスプロイテーション映画」ジャッキー・ブラウン odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
ブラックスプロイテーション映画
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ジャッキー・ブラウンを演じるパム・グリアは大胆で暴力的な女囚や殺し屋役で名を馳せた女優さん、似たもの同志的なところでタランティーノ監督に気に入られたのだろう、「パルプ・フィクション(1994)」の情婦役にしたかったが実現せず、監督が脚本を当て書きしてオファーしたそうだ。彼女のそんな過激な作品は観ていないので私には普通のおばさんにしか見えませんでした。
映画は70年代に流行った黒人が主役のブラックスプロイテーション映画へのオマージュなのだろう、当時の作風をまんま踏襲している。
したがって登場する白人は間抜けかチンケな役どころが殆ど、まさかあのデニーロ様を風采の上がらないただのチンピラの端役に使うとは勿体ないにも程がある。サミュエル・L・ジャクソンにしても小物のやくざで銃の密売人、絡む金も大した額ではない、マイケル・キートン扮する地元の刑事もジャッキーにまんまと担がれる間抜けぶり。
主人公も中年のCAで度胸はあるが所詮素人だからアクション映画にはならないし、男どもを手玉にとる様を延々見せられるだけ。
思い入れたっぷりの役者の表情のアップ、余韻をやたら引っ張る演出に相変わらずの長い無駄セリフで2時間半を超える長丁場、これがクエンティン・タランティーノ作品かと目を疑った、まるで別人のような内省的なタランティーノ映画など誰が望んでいるのだろう・・。
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