「実際の暗殺者たちも愛読した小説を映画化!」ジャッカルの日 Haihaiさんの映画レビュー(感想・評価)
実際の暗殺者たちも愛読した小説を映画化!
『ジャッカルの日(The day of the jackal)』は、1997年『ジャッカル(The jackal)』として時代を置き換えた形でリメイクされた。
リメイク版はブルース・ウィリス、リチャード・ギアというキャストで期待されたがオリジナルは超えられなかった。
みなさんがレビューされている通り、原作はエドガー賞を受賞した同名小説だ。
私もご他聞に漏れず、映画を見た後に小説を読んだ。それくらい面白かったのだ。
wikipediaによると、製作のユニバーサル・スタジオは、ロバート・レッドフォードやジャック・ニコルソンをジャッカル役に配したかったようだが、監督のフレッド・ジンネマンはヨーロッパの俳優を起用することに執着した。
エドワード・フォックスが演じる暗殺者ジャッカルが、とにかく良いのだ。撮影当時は35〜36歳だったはず。
軍人役なども多数演じた彼は動作が機敏なだけでなく、デヴィッド・ボウイや市川雷蔵のように妖しい色気も醸し出している。後年見た『遠すぎた橋』では、この妖しさは封印されていたので、演技力だけでなく、脚本や撮影陣のチカラでもあるのだろう。
◆クルマ(アルファロメオ ジュリエッタ スパイダー!)の色を短時間で塗り替える、
◆パリ潜入のため、男爵夫人、同性愛者を利用した後に始末する、
◆従軍歴のある老兵に化けて式典に潜り込む
すべてのシーンが、暗殺者マニュアルになっていて、見ていて気を抜けない。
こんなに面白いのにもかかわらず、意外なことに?(笑)
アカデミー賞は編集賞のみノミネート(最優秀は『スティング』)。
同年の日本国内洋画配給収入ランキングで9位にすぎない(1位の『ポセイドン・アドベンチャー』は良しとして、リバイバルの『街の灯』、『十戒』より下位である)。
うっすらとした記憶だが、私も初見は映画館ではなく、テレビで見たと思う。
私のように、ただで見た人達(笑)が高く評価しているのだろう。