劇場公開日 1973年9月15日

「【ド・ゴール大統領の暗殺を高額の礼金で企てる男と、仏蘭西の警視が対峙するドキュメンタリータッチの演出が秀逸な作品。仏蘭西政府の植民地アルジェリアへの対応の変遷を知っていると面白さが倍加する作品。】」ジャッカルの日 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【ド・ゴール大統領の暗殺を高額の礼金で企てる男と、仏蘭西の警視が対峙するドキュメンタリータッチの演出が秀逸な作品。仏蘭西政府の植民地アルジェリアへの対応の変遷を知っていると面白さが倍加する作品。】

2024年3月21日
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鑑賞方法:VOD

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■それまで、植民地であるアルジェリアに対する想いを持った仏蘭西のOAS(秘密刑事組織)が、新しい大統領になったド・ゴール大統領のアルジェリアに対し、民族解放の姿勢を明確にしたド・ゴール大統領に対し、不満を募らせていく姿が、今作の背景にある。
 それは、序盤でド・ゴール大統領の暗殺に加担した元軍人が銃殺されるシーンで描かれる。
 因みに今作中でも語れるが、ド・ゴール大統領は就任中に6回の暗殺未遂事件に遭遇しているが、奇跡的に傷一つ追わずに任期を満期している方である。
 我が日本でも、元宰相が衆人の中、命を落とされた事を考えると奇跡的な事である。(深く、瞑目します。)
 だが、今作を観ると、名もなき仏蘭西警察の頑張りがあっての事だという事が良く分かる。

■1960年代のフランス。
 ド・ゴール政権に不満を持つ秘密軍事組織・OASは、大統領暗殺を目論むが失敗に終わってしまう。
 そこで、OASはすご腕の殺し屋・ジャッカル にド・ゴール暗殺を依頼する。
 フランス警察のルベル警視は、官邸の指示の元、この計画をいち早く察知し、万全の体を取る。

◆感想

・“ジャッカル”を演じたエドワード・フォックスも、ルベル警視を演じたミシェル・ロンズデールも当時は、無名の俳優だったそうである。

・だが、フレッド・ジンマネン監督はそれを逆手に取り、今作を見事な社会派サスペンス映画に仕上げている。

<実在したド・ゴール大統領を暗殺しようと狙う側とそれを阻止しようとする警察側の攻防を戦いドキュメンタリータッチで描いた逸品である。>

NOBU
sow_miyaさんのコメント
2024年3月22日

中学3年生の頃、フォーサイスの原作単行本を読んで、引き込まれた作品です。
スイカを吊るしてライフルの照準を調整する場面が記憶に残ってるの確かめたいのですが、自分の入ってるサブスクでは見られないようで、ちょっと残念です。

sow_miya
Mr.C.B.2さんのコメント
2024年3月22日

デルフィーヌ・セイリグの高貴な美しさ。改造銃のバランスの良さをさり気なく見せるカット。何よりジャッカルの用意周到さ。そして炸裂弾1発に賭けた狙撃。実に見事な映画でした。

Mr.C.B.2