「【法に携わる者にとっての、真なる正義とは何かを描いた作品。】」ジャスティス(1979) NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【法に携わる者にとっての、真なる正義とは何かを描いた作品。】
■熱血弁護士、アーサー・カークランド(アル・パチーノ)は、微罪で逮捕されたジェフと、性倒錯の黒人・ラルフの、2人の事件を抱えていた。
アーサーは弁護に奔走するが、矛盾と不正に満ちた裁判所の壁にぶつかり悲劇的な結末を迎える。
だが、ある日、彼と常に敵対して来た”抒情酌量”と言う考えを持たない、法に実直過ぎるフレミング判事が女性への暴行罪で告訴され、彼はアーサーに弁護を依頼する。
◆感想
・当たり前だが、弁護士は弁護人の刑を如何に軽くするか、無罪にするかに腐心する。故に、石を投げれば弁護士に当たると言われるアメリカでは、犯罪者の罪に焦点が当たるよりも、如何に優秀な弁護士が犯罪者の量刑を軽くしたかに焦点が当てられる。
・日本でも、刑事裁判の鉄則として、”疑わしきは被告人の利益に”と言う白鳥決定が厳然としてある。私も学生時代に、それを叩き込まれたモノである。
・だが、この作品ではアル・パチーノ演じるアーサー・カークランド弁護士は、そういった忖度をしない。
悪は悪であるとして、弁護士ながら厳然と弁護人の罪を法廷で糾弾するのである。
<今作は、ストーリー展開が粗い部分はある。だが、ラストに微罪で逮捕されたジェフと、性倒錯の黒人・ラルフを有罪とした弁護人であるフレミング判事に対し、厳然と鉄槌を下すのである。
今作は、現代に観ると訴訟社会アメリカを痛烈に揶揄した作品としても観る事が出来る。弁護士の有能さを、”如何に極悪な犯罪者の量刑を軽くするか。””如何に軽微な訴訟で、多額の賠償金を勝ち取る事が出来るか。”という尺度で捉える訴訟社会アメリカに対してである。>
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