「マラソンマン」ジャグラー ニューヨーク25時 梨剥く侍さんの映画レビュー(感想・評価)
マラソンマン
今なぜこのタイミングでの再映?と思いつつ。随分前に見た覚えがあるが、何か主人公がやたら走っていたという印象だけ残っている。
構造は誘拐する子どもを取り違えるという「キングの身代金」ひいては「天国と地獄」パターンだが、この映画ではそこはあまり主眼ではなく、いくら間違えていると指摘しても犯人はまるで聞く耳を持たない。捜査陣と犯人の緻密な駆け引きとかはなく、ただひたすら一直線に突っ走るのみ。疾走感はあるが、あれよあれよと転がる随分荒っぽい展開だ。犯人の計画は大ざっぱだし、追う父親も行きあたりばったりだ(脚力と腕力はおよそ超人的だが)。何なら最初の誘拐シーンから父親に目撃されるという杜撰さはどうよ。
何なら誘拐犯より元同僚の刑事の方がよっぽど狂っているし。ダン・ヘダヤはコーエン兄弟の鮮烈なデビュー作「ブラッド・シンプル」でも偏執的なコキュをねっとりと演じていた。誘拐犯役のクリフ・ゴーマンは「真夜中のパーティ」でその風貌が記憶に刻まれている。異常犯罪者というとマザコンの設定が多いのも陳腐感があるな。
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