劇場公開日 2025年12月5日

「当時の生のニューヨークでの三度にわたる迫力の追跡劇!逃亡劇! 人種・移民のるつぼ、格差社会に生きる人々」ジャグラー ニューヨーク25時 ITOYAさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5 当時の生のニューヨークでの三度にわたる迫力の追跡劇!逃亡劇! 人種・移民のるつぼ、格差社会に生きる人々

2025年12月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

追う!追われる!活気あふれる雑踏のニューヨークを走り抜ける。
まず、冒頭から延々と続きなかなか終わらない、誘拐犯と娘を必死に追う主人公の追跡劇が見もの。
走り、タクシー、地下鉄、車も奪い追いかける執念!
その後、元相棒の汚職刑事からの執拗な追撃では、人ごみの中でも躊躇なくショットガンがぶっぱらされる。
マンハッタンの街中で通行人に知らされずに撮影したため、警察に通は応されたという迫真のシーンは迫力満点。
さらに終盤では、主人公とヒロインはブロンクスで暴漢少年たちも襲い掛かる。
三度にわたる失踪のシーンの連続からなる展開が、本作を特別なものにしている。

初見では少年かと思った素朴な少女は、父親から見たらなついてくれている理想の娘。
娘が犯人と接するうちに、自然とかすかな同情が生まれる。
富豪の娘と間違えて誘拐してしまう愚かな犯人、動物の登録施設で知り合い主人公に同行する女性、元同僚の汚職警官など印象的な人物たちと、人種差別、移民問題、格差社会を背景に描かれる当時の雰囲気が詰まった特別な映画だった。

ITOYA