劇場公開日 2021年1月29日

「大西部テキサスの風土と変遷」ジャイアンツ Moiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5大西部テキサスの風土と変遷

2025年4月25日
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鑑賞方法:VOD

感想

アメリカの中でも最も保守的な風土をもっているテキサス。そこで代々大牧場を営んできたベネディクト家。一家の長として逞しく切盛りをするジョーダン(ビック)の元へ東部から嫁いできたリベラルで進歩的な考えをもつレズリー。ある家族の生涯を通してそれを取り巻くアメリカ近代史における当時の人種差別的社会状況、時代の変遷におけるテキサスの栄枯盛衰、そして彼等を取り巻く、様々に変容していく人間模様を描いた見応えのある重厚なドラマであった。

監督
アメリカ人の良心とは何かを描くことを得意としたジョージ・スティーブンス。監督としてシェーンと並ぶ最高傑作であったと個人的に思う作品。1957年第29回アカデミー賞最優秀監督賞受賞。

配役
レズリー・ベネディクト:エリザベス・テイラー
美しく麗しい限りの姿を見せており理知的で自分の意思で行動していこうとする女性を年齢を重ねても巧みに演じていた。

ジョーダン・ベネディクト:ロック・ハドソン
保守的で誇り高いテキサス男を演じアカデミー賞主演男優賞ノミネート。

ジェット・リンク:ジェームス・ディーン
1956年度のアカデミー主演男優賞にノミネート。しかし受賞式の時には既に他界していた話は有名。大借金と苦難の末に石油が湧出しビックにその事を告げにぼろぼろのトラックで来て啖呵をきるシーンが印象的。

他の配役として本作が初の大作出演となるキャロル・べイカーと駆け出し時代の若き日のデニス・ホッパーがそれぞれベネディクトの子供を演じる。また、この時代の売れっ子であったサル・ミネオがドラマのポイントとなる印象的なメキシコ人二世として出演している。

⭐️4.5

Moi
Moiさんのコメント
2025年5月21日

ジェームス・ディーン主演の三作品を監督したエリア・カザン、ニコラス・レイ、ジョージ・スティーブンズ、全員1950年代から60年代のアメリカを代表する巨匠達ですね。カザン監督はアクターズスタジオを創設しディーンの他、マーロン・ブランド、ポール・ニューマン等壮々たる俳優を見出してますね。ニコラス・レイ作品で他に記憶があるのは「キング・オブ・キングス」や「北京の55日」などの大作ですね。

Moi
Freddie3vさんのコメント
2025年5月21日

フォローのご挨拶、ありがとうございます。『エデンの東』『理由なき反抗』『ジャイアンツ』のジェームズ•ディーン3本立てを50年近く前の秋の日に一気に見たのを思い出しました。『ジャイアンツ』が終わって外に出ると日はとっくに暮れて小雨が降ってたな。懐かしい思い出です

Freddie3v
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