「水墨画を模倣したアンリ・ドカエの美しい映像で描かれた、青年と少女の無垢な愛の物語」シベールの日曜日 Gustavさんの映画レビュー(感想・評価)
水墨画を模倣したアンリ・ドカエの美しい映像で描かれた、青年と少女の無垢な愛の物語
16歳の時ノーカットのテレビ放送を観て大感激したフランス映画。2年後フィルムセンターで上映があり、いつものように余裕を持って到着すると既に長蛇の列だった。学生時代の短い間ではあるが、フィルムセンターで立見で鑑賞した唯一の経験をする。当時の学生入場料は140円なので立見への不満は無く、そんなことより、この作品がこれほどまでに愛されていることに感動してしまった。
映画については、なんて美しく悲しいストーリーなのだろう。青年と少女の許されない愛の悲劇に涙するしかない、自分の無力さ。映画を観て自分の優しさを顧みることの意味と、優しさだけでは社会は良くならない虚しさや、限界がある現実に苛まれる苦しさが、この映画を忘れなくさせている。
映画好きでまだ観ていない知人らに、この映画の物語を何度も語ったことがある。そして、最後のシベールの台詞を言うときは、決まって涙を堪え切れずに言葉に詰まってしまう。そんな映画です。
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マサシさんのコメント
2022年1月27日
Gustavさんのレビューとご覧になった映画を拝見すると、大変に驚かされ、感心します。アイコンもモーツァルトなので、気にはなっていました。感性が衰えたと僕も感じる事がありました。年と共にそれも少しはあるかも知れませんが、ありきたりな話になってしまいますが、見る映画が沈下している様に僕は感じています。封切りする映画がことごとく肌に合わないと思っています。しかし、ちゃんとした映画がない訳ではないようで、最近、AmazonとU-NEXTにハマっています。陽の目に当たらない良い映画が沢山あります。
『心と体』 とか 青春時代を思い出します。
ご年代や性別も分からず、不躾なレビュー送ってすみません。