十戒(1956)のレビュー・感想・評価
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千恵蔵と右太衛門の時代
芸術性や主題は無用、製作費青天井で大衆娯楽に徹した製作方針は昭和30年代の東映時代劇を彷彿とさせます。
・大げさで芝居がかった脚本による、わかり易いストーリー展開
・金を湯水のように使ってスタジオを丸ごと利用したセット撮影と合成を多用したロケ
・内面描写はなし、段取りと様式美に徹した演技とセリフ回し
・巨匠監督の号令一下、天皇の軍隊のようなスタッフ
ハリウッド黄金時代超大作の見本市です
「神の力」みたいな聖書に無関心な日本人には、むしろ純粋に娯楽作として観ることができましょう。
姦淫するなかれ!
デーサン役の俳優は
エドワード・G・ロビンソン、我が亡父が好きな俳優だった。この映画での役は悪役だが、彼はギャングスターだと亡父は言っていた。
『神は形を持たない永遠の霊の光だ。皆の中にある。』
『神がお使いになる武器は羊飼いの杖だ。』
INTERMISSION
育ての母が訪れる。
モーゼの言う神を信じる一人の女性が『偶像崇拝者よ』と言う。するとモーゼが『私を育ててくれた者だ』と言う。
この映画を私なりに解釈。
偶像崇拝者の独裁者が支配するエジプトと言う土地から、支配を逃れる為に戦ったモーゼの偉業。つまり、階級闘争であり、シナイ半島の地に逃れた者の中にもまだ偶像崇拝者がいた。その悪役を買って出たのが、エドワード・G・ロビンソンである。我が亡父はその話をしていた。話がそれた。
海が割れるシーンの印象が強く、テーマの『十戒』はその後。それから判断するに、偶像崇拝主義者とは『資本主義における物資主義者』を指している。つまり、物欲と言うもの。それを十の戒律で縛らないと、本当の自由が得られないと言っている。
従って、この映画はエジプトから自由を求めてカナンの地に脱出したユダヤ教徒の話ではない。立ち返って考えれば、イスラム教は偶像崇拝ではないし、エジプトがイスラム教になるのはずっと後の話。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地がエルサレムである事も不思議ではない。
さて、では、ここで言う偶像崇拝者とは?これは極論だが、黄禍論に繋がるのではと感じる。仏教は典型的偶像崇拝でそれを信じるのはアジア人。さて、言うに及ばず、そこに登場せし民族が大和民族なのである。偶像崇拝者と言う言葉が出る度に『ヒシヒシ』とそれを感じた。勿論、この映画では物欲を戒めているのだが、エコノミックアニマルとまで言われる様になる日本経済を、ディスって部分もあるのではないだろうか?今となっては絶滅危惧種まで世界から見放された大和民族はそんなふうに見られていたと思っても過言ではないと思う。
メリー・クリスマス。
『武器は羊飼いの杖で、争いの地から逃げる』現代の争いはこの行いを学ばなければ駄目である。
前半はとても面白かった。権力闘争。恋の行方。 神の啓示を聞く特撮あ...
前半はとても面白かった。権力闘争。恋の行方。
神の啓示を聞く特撮あたりからさっぱり面白くなくなった。杖を蛇にしたり、変な魔法を使ったり。最後はなるほどこれか!の海パカーン。
十戒って結構当たり前のこと言ってる。「殺すなかれ」って殺しまくってるんですけど(笑)
よくもまあ、こんな荒唐無稽な話を信じられるもんだ。宗教に溺れる者よ、目を覚ましましょう。
槍ではなく杖で世を正す
チャールトンヘストン扮するモーゼはヘブライ人救世主として生まれたが、命を狙われ親によって川に流されたところ拾われた。モーゼ司令官は非常に人気があったので、ユルブリンナー扮する王子ラムセスがひがむほどであった。しかしモーゼがヘブライ人だとわかりラムセスはモーゼを追放した。
本人が出世の秘密を知らないのは当然として、何故に皆がモーゼの出世の秘密を隠してエジプト王子にしたのか不思議だね。エジプト王子から奴隷になっても生んでくれた奴隷の母親を恥だとは思わないとは立派だ。ユルブリンナーは好きな俳優のひとりだが、役柄がぴったりだね。
モーゼの十戒とは良く聞いたが、ここまでの話とは知らなかったな。槍ではなく杖で世を正すとは。
【”自由を求めて・・。”60年以上前の作品とは思えない旧約聖書の”出エジプト記”の内容を伝えるだけでなく、繊細で洗練された豪華過ぎる娯楽映画。映画制作陣の尋常でない熱量を感じる作品である。】
■エジプト王・ファラオによってヘブライ人の男児を殺す命令が出され、死を逃れるため、ナイル川に流された幼いモーゼはファラオの娘に見つけられる。
ファラオの養子となったモーゼ(チャールトン・ヘストン)は、ピラミッドの設計や建設の助言などを行って王の信頼を得ていたが、出生の秘密を知られ…。
◆感想
・今作はナント、60年以上前の作品であるが、学生時代に”出エジプト記”を斜め読みしたからか、大変に面白き作品である。
・一時はエジプト王になる期待を持たれたモーゼが、自らのヘブライ人であった出自を知り、敢えて奴隷の身分に陥る姿。
だが、王の正式な継承者である、ラメス(ユル・ブリンナー:潔いまでに、スキンヘッドである。時に変な辮髪を付けているが・・。)が彼の存在を脅威に想う姿。
ー ラメスではなく、ラムセスではないかな・・、と思いながら鑑賞続行。-
■今作公開は、1956年とあるが、モーゼが神と出会うシーンや、追い詰められたヘブライの民の前の海が割れるシーンは、特撮だと思われるが、その他のヘブライの民がエジプト人に虐げられるシーンの数々は、実際にあれだけの人を集めたのかな・・。
今作の監督を務めたセシル・B・デミル監督の作品に掛けた熱量の凄さに圧倒される。
<学生時代に、偶々”出エジプト記”を教授から指示されて斜め読みをした際にはあんまり面白くなかったが、今作はモーゼの偉業を映像化した傑作である。
それにしても、1950年代から60年代に掛けての長尺映画は、100%面白い事を確信した作品である。
映画製作者たちの熱量が、半端ない作品でもある。>
長〜い長〜い物語
DVD2枚。非常に古そうな映画なのにカラーだった。前編は後半から面白くなって後編2枚目に突入期待をしたが、後編はちょっとつまらなかった。宗教色が強いというか。恋愛も後編は殆どなし。案外、神は簡単に人を殺してしまう。それって良いの?って思いながら観ました。そしてネフレテリは一体何者だったのか? 次期王女を決定された人。兄妹で結婚する時代なのか?主人公モーゼスとは血縁関係じゃないから結婚しても問題なかったけど。その辺りよく分からないまま。実の母親はモーゼにギリギリで命を助けてもらったり投獄されたりそもそも奴隷民族だし壮絶人生だったと思う。
十回は観ないかな!?
色んな意味で1回は観ときたい作品だと思う。
映画史や旧約聖書についてなど、教養の一部になりそう。昔にこんな大作を作る事が出来たことに只々驚くし、予算や人を集めるのにどんなに大変だったろうと思う。
上映時間も長いが飽きさせない。
ベン・ハーと並んでまさに大作!
エジプト新王国の描写に優れている
エジプトを扱う映画でも流石にここまで拘って撮られたものは他に無いだろう
物語は誰もが知る出エジプト記なのだが、監督はその中でもエジプトの王子時代を描くことの方に力点を置いている
エジプトから解放されてからのことはどちらかというとかなりはしょっている印象
本作を観る人は全員旧約聖書を読んでおり詳しく知っていることを前提にしているからだろう
なので海が割れるとか石板を授けられるところはしっかり視覚化するがそれに至るプロセスは省略されているから、出エジプト記を本作で初めて知るという人ならどうしてそうなのか分かりづらい部分があるだろう
より詳しく経過を知りたければ、1994年にヨーロッパ各国共同製作のテレビ映画の方がふさわしいだろう
神に選ばれたモーゼの苦悩が描かれる
リドリースコット監督のエキソダス 神と王は論外
しかし、それは欠点ではない
当然観ておくべき映画だ
チャールトンへストンは監督が、ミケランジェロのモーゼ像に似ているから選んだというだけはある
ユルブリンナーの存在感も素晴らしい
奇跡の大安売りの旧約聖書そのままの世界にはまれるか
総合:50点 ( ストーリー:40点|キャスト:65点|演出:60点|ビジュアル:70点|音楽:60点 )
多額の予算をつぎ込んで制作された『ベン・ハー』とならぶ歴史的大作である。美術は豪華で大量動員されている場面は迫力もある。
でもやはりつまらない。モーゼは自分の出自を知り労働させられている同胞を見た途端に簡単に何の葛藤もなく心変わりしてしまうし、欠点もない人物像のままに自分の全てを同胞のために捧げてしまうし、何か困ったことがあっても次から次に奇跡を起こしては問題を解決していく。旧約聖書そのままといえばそうなのだが、神の御心のままこんな綺麗で完璧で安直に進む話が私は好きではない。奇跡もこれだけたくさん起きれば大安売りの特売品といったところで有難みも薄れる。それでも次々に奇跡を起こさないとみんながついてこないのだから仕方がない。
大仰な演技と科白使いも不自然だし、私のように信心が無い人の立場からみると、彼は何故そうするのかという必然性をあまり感じさせない演出も古い。ただ旧約聖書に沿っているのだからそれでいいでしょと言わんばかりのように思える。
旧約聖書の世界を映像で観るという点では悪くない。でもその世界にはまれないとその内容は退屈だし、演技・演出も古くて映画作品としての面白さはない。映像は一部で背景をただの絵にしてあったり美術がちゃちな部分もある。特撮はこの時代にしては立派なのだろうが、現在ではもちろんたいしたことはない。
3.7 ストーリーはわかりやすく明快。つたえたいこともわかる。そし...
3.7
ストーリーはわかりやすく明快。つたえたいこともわかる。そしてなにより壮大。CGの技術が発達していない時代によくあれだけ出来たと思う。しかもサイレントなのに迫力があった。音楽も存在感のコートロールがよくできていたと思う。
やはり名作って理由があるんだなと思う映画でした。
他のレビューのように芸術的映画です。現代のCG映画ほど迫力は無いがCGでは出しきれない映像や物語が観れた気がします。むしろ映像や迫力よりももっと映画として奥深い物を見た気がします。それを感じただけでも自分は恵まれてるんだなと思う。とても人間的な映画でした。
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